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【本日のコーヒー】エチオピアらしいコーヒーの作られかた

コーヒーを買う際、産地・品種の他に「ナチュラル」「ウォッシュド」などの表記を見たことはないだろうか。稲が脱穀・精米されるように、コーヒーも収穫後に「精製」される。ナチュラル・ウォッシュドとは、それぞれ精製の方法を指す。興味深いのは、精製方法が味を大きく左右することだ。コーヒーの“オリジン”、エチオピアでの精製をのぞきつつ、飲み比べをしてみてはいかがだろうか。


コーヒーの白い花と赤い実

 コーヒー発祥の地といわれるエチオピアでは、春の雨の季節にコーヒーの花が咲く。コーヒーの木はいろいろなところに生えており、森林のようにワイルドに生い茂っているところもあれば、区切られた区画に人の手で植えられているところもある。コーヒーの花は真っ白で美しいが、わずかな期間ののちに散ってしまう。
 その後コーヒーの実がなり、半年ほどかけて成熟。地域にもよるが10月から翌1月あたりが主な収穫期だ。赤く熟した実を見極めて、摘んで回る。収穫したばかりの真っ赤なコーヒーにはみずみずしい果肉が付いていて、口に入れると甘酸っぱい。エチオピアでは小規模な農家が多く、収穫は主に手摘みで行われてきた。
 摘み取られたばかりのコーヒーは水分量が多く、保管・運搬には向かない。果肉の部分を取り除き、種の部分を乾燥させなければならない。コーヒーチェリーと呼ばれていたフルーツの状態から、輸出に耐えうる状態に持っていくのだ。「精製」と呼ばれる工程である。この工程によって、味は赤ワインと白ワインくらいの違いになることもあり、飲み比べると驚く人も多い。

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