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【クラウンエイジェンツ・ジャパン(株)】 若手社員インタビュー

「自分ならでは」のカラーと幅広い分野にわたる知識・経験を身につけて信頼される調達のプロフェッショナルを目指す

1833年に英国で設立されたクラウンエイジェンツ(CA)は、現在世界約40
カ国に事務所を置き、各国政府、国際開発機関、民間企業をパートナーとして100カ国以上で開発業務を展開する公共調達専門機関だ。日本製品の調達や検品などの役割を担うため、1967年に日本拠点を設立、1987年からは外務省によるノン・プロジェクト無償資金協力に調達代理機関として従事している。2013年には日本法人を設立、調達やプロジェクト資金管理、コンサルティングなどさまざまな支援業務を行っている。仕事の現場とやりがいなどを若手社員に話を聞いた。

クラウンエイジェンツ・ジャパン株式会社
事業統括本部SCS 事業部プロジェクト・オフィサー
野地 祐輔氏
(のち・ゆうすけ)
民間企業に勤めた後、JICA海外協力隊に参加。2018年度1次
隊としてカメルーンに派遣され、母子健康の改善を目的に母子
健康手帳の普及活動等に従事した。現在はクラウンエイジェン
ツ・ジャパン(株)にて、調達代理業務に従事している


全世界に拠点を持ち開発業務に携わる専門機関

──まずは、クラウンエイジェンツ・ジャパンという会社について教えてください。
母体であるクラウンエイジェンツは英国に本部を持つ国際開発業務の調達専門機関だ。調達業務に加え、コンサルティングやサプライチェーン、研修プログラムの提供などさまざまなサービスを通じて、開発途上国の開発、ガバナンスを支援している。当社はその日本拠点として、日本政府や国際協力機構(JICA)が実施する案件の調達代理業務に従事している。長年培ったノウハウ、世界各地にある事務所・ネットワークとの連携などが当社の強みだ。

──野地さんが携わっているプロジェクトについて教えてください。
エチオピアやケニア、チュニジアなどアフリカ諸国やウクライナなどの国に対する10 件程度の案件に携わり、被援助国政府の調達代理機関として、調達代理契約の締結手続き、政府間協議の開催支援、資機材等を調達するための入札管理、資金管理など一連の調達代理業務を担当している。

セーシェル出張時のサイト視察の様子


カメルーンでの経験を通じて「調達」の仕事に興味を抱く

──国際協力に関心を持ったきっかけは。
大学卒業後、医療機器や化粧品原料を扱う商社で計7年ほど勤務した後、以前から興味を持っていた国際協力に携わりたいと思った。そこで思い切ってJICA 海外協力隊への応募を決断し、30 歳でカメルーンに赴任した。

──カメルーンではどんな業務に携わったのですか。
職種はコミュニティ開発。主に日本型母子手帳の普及に取り組んだ。ワクチン接種や身体測定の記録、母子の健康管理、栄養指導などに活用でき、英語・仏語のバイリンガル対応が必要なカメルーンの事情にも配慮されている。地域の病院・学校を訪問し、栄養改善、手洗いなどの衛生指導、病気の発生状況の調査も行った。

── CA を選んだ理由は。
協力隊の活動は住民たちと直接触れ合う草の根の活動が中心だった。そこから「より大きな形で国際協力の活動に携わりたい」と考えるようになった。新型コロナウイルス感染症の影響で緊急帰国となり、就職先を考えた時、世界中にネットワークを持つCA の公共調達の仕事に興味を持ち、入社を決めた。

──仕事上で感じるコロナ禍の影響はありましたか。
オンラインミーティングが普及したおかげで、先方政府とのコミュニケーションの幅が広がった。その半面で直接会って話す機会が減ったのも事実だ。出張で現地担当者に会ったり、現地の様子を見たりするのは、信頼構築や案件の背景を理解する上で大切だ。

エチオピア出張時の会議の様子


幅広い知識と自分だけの強みで不透明な未来にも柔軟に

──調達の仕事を通じて大変なこと、やりがいだと感じることを教えてください。
途上国が相手であり、打ち合わせや契約の通りに進まないこともある。返信が遅かったり、輸送時のトラブルも起こりがちだ。
 そんな中でも必要な機材が現地に届き、現地の発展に貢献できる喜びは大きい。今まで取り組んできたことが実ったと達成感がある。それ以外にも、合意形成や契約締結など、一つ一つのステップごとに小さな達成感を積み上げていける楽しさがある。

──働く環境についてはいかがでしょうか。
フレックス制度や在宅勤務制に加え、育児中の時短制度もあり、性別やライフスタイルを問わず働きやすい環境があると思う。女性社員の割合が多く、育児をしながらも柔軟な働き方で活躍している社員もいる。

──今後、会社のあるべき姿についてはどう考えますか。
世界情勢の先行きが不透明ななか、ODA のあり方も変化を遂げている。柔軟に対応できる体制や働き方、人材の育成が必要だと思う。今までの調達機関のあり方にとらわれず、歩み続ける組織を目指し頑張りたい。

──最後に野地さんの今後の目標を教えてください。
調達の仕事には語学力、貿易、契約などさまざまな知識やスキルが必要だ。どれか1つにこだわらず、まずは多岐にわたる知識と経験を身につけたい。
 一方で、何か1つその人だけの強みがあれば、それがその人のカラーとなるのも調達の仕事の面白さだ。今後も知識や経験を深め、自分なりのカラーが出せるよう成長していきたい。


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本記事は国際開発ジャーナル2024年2月号に掲載されています
(電子版はこちらから)


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