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質を落とさずアウトプットのスピードが爆速な人がやっていること(後編)

こんにちは、イデトモタカ(@idetomotaka)です。
前編を未読の方は、先にこちらをご覧ください。

■良アウトプットの爆速三原則

1)過去のアウトプットをストックする
2)日頃からテーマを深める
3)能力の輪の外のことはしない

以上の3つが基本戦略になります。それぞれについて(メリット・デメリット含め)深堀りしていきましょう。

■デザイナーやプログラマのように働く

デザイナーやプログラマの仕事を側で見ていると、当たり前のように「この前つくったキラキラ(素材)があったはず」「この部分のコードはテンプレ化してる」といった具合に、過去の自分のアウトプットを流用しています。

「流用」というとネガティブに聞こえるかもしれませんが、言い換えれば「時間」と「予算」という制約のなか、さらに高い成果を出すために、過去の質の高いアウトプットと現在のアウトプットを掛け合わせています。

補足:シャンパン(ノン・ヴィンテージ)の製造でも、クオリティを一定以上に保つ(高める)ために、過去成果物であるリザーブワインを使用しているのと似ています。

■流用すべきはコンテンツではなく“思考”

企画書や提案書をよく書くなら、テンプレートの流用や内容の転用はしているでしょう。もちろんそれで時短できますが、クオリティが高まらなければ大した意味がありません。

重要なのは、流用するアウトプットは「コンテンツ」ではなく、過去に脳を絞って出した「思考」であり、なんらかの仮説に対する自分なりの「結論」です。

なぜなら、情報率の高い仕事において、最もインパクトがあり、最も時間を要するのがこの「思考」部分だからです。

脳が千切れるほど考えて出した、あるいは天啓のように閃いた、アイデアや概念を、いつでも引き出せるようにストックしておく。これが鍵です。

補足:そのためのツールは何でもいいですが、アナログな手帳やノートよりは、デジタルがおすすめです(ストック性・検索性において)。ぼくは長年 Evernote を使っていましたが、Bear に移行して大満足です。

■マイ・テーマのすすめ

山口周さんの名著『知的戦闘力を高める 独学の技法』のなかに(未読の方はぜひともおすすめします)、「ジャンル」と「テーマ」の話があります。

端的に言えば、多くの人はプロフェッショナルになるために、ジャンル(心理学、マーケティング、経営など)の知識を深めようとしますが、本当に大事なのはテーマである、と。

テーマというのは、疑問や仮説です。例えば「ピラミッド型組織と階層のないフラットな組織、どちらがいいのか?」「人が本来持つ能力を120%発揮できるのは、どんな環境や条件下か?」など。

これらをマイ・テーマとして持っていれば、読む本はジャンルを横断し、その結果、他の人にはない視点から、新たな着想(=価値)を生み出す確率が高まります。同じ本を読むにしても、テーマを持っているかどうかで、吸収率も段違いです。

■仕上げ:ボトルネックをつくらない

アウトプットした思考をいつでも引き出せるようにストックし、テーマを普段から深める。その上で欠かせない最後のパーツが、「能力の輪を出ない」です。

「能力の輪」とは、自分のポケットの中身くらい熟知している範囲。あえて年数を言えば十年以上従事している分野です。おそらくあなたの普段の仕事は能力の輪のなかで行われているでしょうが、フリーランスはなんでも屋が多いので、そこから出ないことが本当に本当に大事です。

一歩出ると、途端にスピードのコントロールが利かなくなります。落とし穴だらけの道を、真っ暗闇のなか歩くような状態になってしまいます。

■あなたの言い訳

思考のアウトプットをまとめる、テーマを持つ、能力の輪から出ない……言ってることはわかるけど、「時間がかかりそう」だし「そもそもテーマがわからない」し「仕事を断るのが怖い」。

フリーランスとして駆け出しで精一杯のときほど、そう思うかもしれません。たしかにそのとおりです。アウトプットをいちいちストックするのは時間が必要ですし、なにがいいテーマなのか、自分らしいテーマなのかも、わからないかもしれません。

そして、貴重な依頼を断るという機会損失は、仕事(と収入)が十分でないときには、おいそれとできるものでもありません。

でも、それでも、おすすめします。時間がかかるということは、将来にそれ以上のリターンを期待する投資なのです。テーマも仮で構いません。なにより苦手な(能力外の)仕事をするほうが、実際にはさらなる機会損失を生んでしまいます。

■後編のまとめ

・過去のアウトプットをストックする
・日頃からマイ・テーマを深める
・「能力の輪」の外のことはしない
・コンテンツではなく“思考”を流用する

最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。また書きます。
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