無農薬はわかるけど無肥料? 4 カリウム

自然栽培で作物を育てるためには
植物の栄養を何処から得るのかを
知っておく必要があると考えました。

前々回、前回と植物が自然界から
窒素やリン酸を得られる理屈について
調べた結果を書きました。

今回はカリウムです。

カリウムは生物が生きて成長するためには
欠かせない物質です。

カリウム欠乏症になると、
全身に伝達物質を上手く運べなかったり
細胞内の酵素の働きにも関わって
成長不良を起こしてしまいます。

植物だと葉緑素の中にも存在していて、
主に活動電位の関わっています。
つまり体内の循環をコントロールする働きがあり
特に根の成長には必須だといわれています。

さて、このカリウム。
何処からくるのか?

実は科学的には未だ解明されていないそうです。

窒素やリン酸は自然界に存在しているのですが
カリウムは常に何かと結合していて
単体では存在していないそうなんです。

多くは水に溶け込んでいたり
鉱物にくっついているそうなんですね。
特に海水には大量に含まれているそうです。

そこで海の生物を陸上の生き物が捕食して
その結果、海水中のカリウムが
陸に上がってきたという説が有力なようです。

海から陸上に生物を介して
色々なものが循環しているんですね。

そう考えると畑の生物が多様化すると
栄養が畑にもたらされる量は増えます。
逆に畑から生物がいなくなれば、
人為的に肥料を入れないと
作物は育たないということになります。

土壌微生物と同様に
地上の虫も大切なんですね。

自然栽培をされている農家さんは皆、
虫を恐れませんね。

逆に以前、防虫ネットで畝を覆ったら
ネキリムシの被害で作物が全滅したことが
あったそうです。
これはネットでネキリムシの天敵である鳥が
ネキリムシを捕食できなかったことが原因です。

畑にいる虫の中には、
体内に鉄やマンガンを含んでいるものもいて
その糞や死骸が土に栄養をもたらせていると
土壌学では考えられているようです。

日本では特に雑草が全くなくて
畝間にも草がない畑が
「綺麗に手入れされた畑」と評価されます。

作物も均一に育っていて、
作物の緑と土の色のコントラストが
美しい畑だと思われています。

実際は草が生えていて
虫や他の生き物が沢山いて循環している畑こそが
美しい畑なんだと私は思うようになりました。

中小規模での農業は自然の循環を守り、
健康や環境にいい作物として育てることが
大規模農家との差別化にもつながり
生き残る道なんだと私は思います。

まだまだ、わからないことや
知らないことが山盛りなのは嬉しいです。

これから知ることも理解できることもあって
ワクワクします。

最後までお読みくださいまして、
ありがとうございました。



参考資料
YouTube「うむ農園『自然栽培チャンネル』」

「ここまでわかった自然栽培」
~農薬と肥料を使わなくても育つしくみ~
杉山修一 著

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