#6 音楽は嘘をつけない。建物もそう。 | 音の建築 -空間にはすでに音がある-
前回は「そもそも本当に音がいるのか?」をテーマに、加える判断と加えない判断についてお話しました。
今日のテーマは「音楽は嘘をつけない。建築もそう」。
さあ、いったいどんなお話でしょう。
音楽は嘘をつけない?
ミュージシャンや音楽家って、嘘ついてやっててもバレバレみたいなところがあります。音楽だけは絶対嘘がつけないんです。
どういうことかというと、音楽が外に出たとたん、素っ裸で外出ちゃうのと一緒なくらい、見る人が見るとバレているんです。
特に演奏なんかは、上手く弾こうと思っていても、飾りでしかない。私たちはそこを見ている訳じゃない。その人から出いるものを感じています。
これを見抜くのは特殊な能力というわけではありません。「なんか嘘っぽいじゃん」という感性って誰にでもありますよね。それに近いです。
専門性があるとすれば、「ちょっと奥をみれる」というところ。どこまで深くみれるかどうかが、プロかどうか、かもしれないですね。
音楽的な建築
ごまかしの効く今の世の中では、「嘘がつけない」って、むしろ結構正常だと思っています。
音楽なんてやっても意味がないように言われがちですが、むしろ「音楽的に」全部やっていったら、色んな事が上手くいくと思います。
例えば、音楽的な政治とか。
建築もそうです。初回からずっと一貫していますが、表面の飾りの部分ではない、重心のようなものがどんなものにもあります。
香水はつけない
前回の「そもそも音がいるのか?」という話でいうと、例えば薄いBGMを流すというのは、空間の重心を見破れずに「香水で雰囲気をごまかす」ことに近いかもしれません。
華やかな役目は確かにありますが、長くは続かない。
その空間の言いたいことがもっとある。
出たがっている本来のエネルギーが表出できれば、嘘っぽいものをまとう必要なんてないんです。
あとは技術
実際に表現する段階に行くと、数学的な所にぱっと切り替えます。
具体的なお話は次回をお楽しみに。
嘘の対局にありそうな、「誓いの日の音楽集」をどうぞ
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