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#3 Max のオブジェクト | Max サウンドプログラミングの可能性

このシリーズでは、音楽や映像、アートやイベントなどいろんな分野で活用されているプログラミング環境「Max」を中心に、サウンドプログラミングについて紹介していきたいと思います。

Maxは「オブジェクト」という箱をつなげてプログラムを作る、ということを前回話しました。
今回はオブジェクトの種類や、調べ方について見ていきます。

オブジェクトの種類

オブジェクトは数えきれないくらい大量の種類があります。
執筆時点のMaxはバージョン8.6.2ですが、まだまだ新しいオブジェクトが増え続けています。
ですが、おおまかに分類すると次の3種類です。
 ・Maxオブジェクト : 基本的なデータを扱うオブジェクト
 ・MSPオブジェクト : オーディオを扱うオブジェクト
   ※MSP用のデータをオーディオの時間精度で処理するオブジェクト
 ・Jitterオブジェクト : 映像を扱うオブジェクト
   ※行列やCGの演算をするオブジェクト

オブジェクトの例。各まとまりの左側から、
Maxオブジェクト、MSPオブジェクト、Jitterオブジェクト

また、UIの機能がついてるオブジェクトもあります。

UIオブジェクトの例。いろいろあります。

オブジェクトの調べ方

気になったオブジェクトの機能がわからない時は、プリインストールされているHelpパッチが非常に非常に役立ちます。
次の方法でHelpパッチを開くことができます。
 ・オブジェクトを選択し、右クリックなどから「Open + Help」を選択。
 ・オブジェクトを選択し、Command + Shift + H。
   (Windowsは Ctrl + Shift + H)
 ・Optionを押しながら対象のオブジェクトをクリック。
   (WindowsはAltキー)
Helpパッチへのアクセス方法が多いということは、それだけ頻繁に使うことを想定しているのだと思います。

Helpパッチには説明だけでなくサンプルのプログラムがあるので、実際に触りながら動作を理解することができます。
必要な部分をコピペして自分のパッチに持ってくることも可能です。
さらに、reference欄の「See Also」に、関連した機能のオブジェクトがサジェストされていることが多いので、自分の欲しい機能を持ったオブジェクトを探すのに役立ちます。

Helpパッチの例。
赤く囲った部分が「See Also」で、関連したオブジェクトを探すのに役立つ。

それでもわからない時は、 Object Reference を見たり(オブジェクトを選択で右クリック→「Open Reference」またはCommand + Shift + R)、Forum等で検索したりします。


Maxを用いて創られた音楽



田中文久 FUMIHISA TANAKA
ソニフィケーションアーティスト、サウンドプログラマー
東京芸術大学音楽環境創造科、同大学院修士課程修了。音楽に関する様々な技術やテクノロジーを駆使し、楽曲制作のみならず、空間へのアプローチや研究用途、最近では、あらゆるものを音に変換する「ソニフィケーション」を用いた制作・研究・開発等、音楽の新しい在り方を模索・提示している。


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