リスクテイクと共に、自分色の人生を歩む
はじめに
Identity Academy(以下、IA)に6期生として参加致しました、有賀瑛美と申します。記事をご覧頂きありがとうございます。
IAを卒業して約1年が経とうとしていますが、当時の学びを言語化することは未だに難しいなあと思いながらも、IAでの4か月間は私にとって何だったのか、自分なりに表現できればと思います。
IAでの学びは計り知れませんが、特に印象深いのは「自分で選んだ道は、リスクをとってでも自分で正解にする」ことを学んだ期間だったということです。
記事を執筆するにあたり、最も印象に残っている森山さんが仰ったある一言と共に、IAでの4か月間を振り返りたいと思います。
IAに参加するまでの私
私は小学校から大学まで一貫校で育ち、IAに出会うまでほとんど学外コミュニティに参加したことがないような学生でした。流れに身を任せる形で大学まで進学してしまった為、人生を自分で選んでいる感覚が薄く、「このままだとなんとなくで人生を終えてしまいそう」という危機感を抱いていました。それでも、現状打破するための具体的なアクションは思いつかず、ずっと足踏みをしているような状態でした。
人生の岐路
IAが始まった頃は就活を始めようとしていた時期で、まさに将来に向けた本格的なアクションを起こさないといけないフェーズでした。周りが多種多様な業界を受けている中、私は大学でメディアコミュニケーションを勉強していたことや、米国交換留学中に新聞部に所属し学生記者として活動した経験から、メディア業界に進みたいことは自分自身でも明確でした。結果が及ばなかった場合は就活浪人することを視野に入れていましたが、2つの理由から自分の就活に対して自信を持てずモヤモヤしていました。
1つ目は、メディア業界への強い思いがあったものの、「最初から業界を絞ってしまうリスク」に漠然とした不安感を持っていたことです。前述のように、既に就職先が決まっていた/就活をしていた友人やIA同期たちは多種多様な業界を受けている人がほとんどでした。同期たちとの就活トークを通して、最初から絞って突き進もうとする自分は大丈夫なのか、躊躇いを感じてしまっていました。
2つ目は、「就活浪人≠成功を保証するもの」というリスクが伴うことです。1つの業界しか受けない選択に対して「リスキーだ」と反対の意見を頂くこともあり、他業界も同時に受けることを考えた時期もありました。考えた末、就活浪人をする覚悟でメディア業界の就職を目指そう思うところまでは行っても、本当に就職浪人をすることになってしまった時のリスクを考えてしまっては、心のどこかで割り切れずにいました。
納得いく意思決定の極意
結論を述べると、私はメディア業界1本で就活をしました。しかし、それができたのは投資の講義を受けていた時に森山さんが仰った「人は一定のリスクテイクを何度も繰り返さないと、納得のいく決断ができない」という一言に大きく背中を押されたからです。
話が逸れますが、私は趣味でやっている囲碁で、対局で勝利しても納得のいく勝ち方ができていない感覚がありました。勝って嬉しいというより、ホッとするような。その違和感について道場の先生に話した時、「勝ちが全てじゃない。間違えてもいいんだよ。」と指摘されたことがあります。当時の私はその言葉の深い意味を理解できず、ただ悶悶としていました。
森山さんがこの一言を仰ったとき、長らく心の中にくすぶっていた過去の違和感が鮮明に蘇りました。私は勝ちにこだわるあまり、無意識のうちに間違えることを恐れ、リスクを避ける手ばかり打っていたこと、そして「上達したい」という本来の目的を忘れて無自覚にもリスクを取らないリスクを取っていたことに気付かされたのです。
今こそ、リスクを取るときだ
これまでリスクテイクを避けてきたために、結果に対する満足感を得られなかったという気付きを経て、私はメディア業界1本でチャレンジする決断を下しました。この気づきは、囲碁の話に留まらず、人生全般における重要な教訓へとなりました。リスクを避けることは、自分の成長や本質的な目標を妨げる要素となることに気付かされたのです。森山さんの一言は、それまで無意識に選んで来た「安全な道」が、実は自分の可能性を狭めていたのだと痛感させてくれました。
幸いにも希望が叶ってメディア業界に就職できることになりましたが、実現できたのは偶然ではなく、真正面からリスクと向き合い、自分の本音に忠実に取り組んだ結果であると、今でも強く実感しております。たかがゲームですらリスクを取ることができなかった私にとって、人生を左右する重大な局面でリスクを取ることは決して甘いものではなく、リスクテイクの経験が乏しいために挫けてしまいそうな時もありました。しかし、リスクを抱えてでも自分自身のパッションと向き合った結果は、「これが納得の行く意思決定か」と心から感じられる達成感の大きいもので、自分自身の変化と自ら選んだ道に対する自信ももたらしてくれました。
IA≠就活コミュニティ
ここまで私の就活について長々と述べてしまいましたが、読んで下さっている皆さんにお伝えしたいことは、IAは特定の経歴を持つ人や、特定の業界を目指す人向けの所謂就活コミュニティではないということです。
過去のnote記事のラインナップからも分かるように、IAには実に多様なバックグラウンドを持つ人たちが集まっています。専門や経験を問わず、IAは各々の視点からリスクマネジメントと向き合い、アイデアの相互共有を通じて「意思決定」について学ぶ場です。
私自身、それまで経済や金融の領域とは無縁の学生生活を送ってきたこともあり、参加当初は議論を白熱させる同期たちを前に消極的になってしまったこともありました。しかし、私と似た境遇の同期が積極的にアイデア発信をしている姿を見て、「知識や経験は、視点を構成する要素に過ぎない」と気が付いてから、私なりの疑問を投げたり、「知らないことは知ればいい」マインドで講義に参加するようにしました。そうしていくうちに、時に知識不足を痛感しながらも、講義後には同期たちと講義での学びについて語り合えるくらいには自分自身で成長を感じられるようになりました。
IAは学びのスクラップブック
IAに参加し、「自分で選んだ道は、リスクをとってでも自分で正解にする」というマインドセットを得られたことは、私にとって大きな財産です。就活というターニングポイントとなるイベントとIA参加の時期が被り、自身と向き合い、大切なことに気付けたことは本当に幸運でした。
繰り返しにはなりますが、IAは就活コミュニティではありません。私はたまたま就活前にIAと出会い、IAでの学びをキャリアの意思決定の場で活かすことができましたが、IAはどのような意思決定の場においても役立つ学びの場だと心から思います。
最後に
ここまで駄文にお付き合い頂きありがとうございました。IA参加をご検討されている皆様にとって、何らかのご参考になれば幸いです。
これから参加される方で、私と似たような境遇の方にとっては、初期の頃は講義のレベルが高いと感じてしまうかもしれません。ですが、IAはどこにでもいるような大学生/大学院生の集いではありません。IA6期も各々が「光る何か」を持っていて、なぜIAにいるのか(なんとなくですが)分かるような人たちでした。ご自身がなぜ森山さんの面接を通過して参加に至るのかを考えるだけでも、IAに参加する意味を見つけられると思います。
IAに参加する前と後では、大きな変化があると思います。同期と比較してIA参加前/初期の自分が「何を持っていないか」だけで自分の価値を決める必要はないですし、今の自分ができることを自分色で表現できれば、いつかその試行錯誤の過程が成長として返ってきます。今、私はそれを感じている最中です。ご自身ががIAを通してどう変化していくのか、その過程を是非とも同期との時間を通して楽しんで下さい✨
最後に、人生において大切なことを4か月間伝え続けて下さった森山さん、常に学生にインスピレーショナルな視点を見せて下さった各務さん、刺激的な人生の意思決定の過程を覗かせて下さった講師陣の皆様、これからが楽しみでしかない6期生の皆さん、本当にありがとうございました。
そして、私をIAの世界に引き入れてくれたIA4期生の友人にも、感謝の意を表します。あの時代々木公園でのピクニックでIAに誘ってもらっていなければ、今の私はいなかったでしょう。
IAでお世話になった全ての方に感謝申し上げます。ありがとうございました!