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素直になれる環境こそが最大のリスクマネジメント


はじめに

初めまして。IA6期卒業生の柳翔太です。高校生の頃から金融やビジネスに興味があり、これまでコンサルティングファームやベンチャーキャピタル、プライベートエクイティで長期インターンを経験しました。

ビジネスや金融に興味がない人からしてみれば、縁のない業界かもしれませんが、これまでの私の経験は、他の誰にも劣らない貴重な機会だと確信しています。そして私がこのようなキャリアを歩んできたのは、IAでの素晴らしい出会いや授業があったからです。

ここでは、私がIAでの経験から何を学び、なぜ今のキャリア選択に至ったのかをお伝えできればと思います。

Identity Academyとの出会い

IAとの出会いは突然でした。大学1年生の当時、インターンとして働いていたコンサルティングファームで、ずっと私に仕事を教えてくれていた上司がIAの卒業生でした。「金融とかビジネスに興味があるなら、楽しいと思います」と言って頂いたことがきっかけで興味を持ちました。HPを見て、代表理事の森山さんを始め、ピカピカの経歴を持つ理事の方々がズラッと並んでいたことに、強烈な憧れを抱きました。それがIAに入ることを決めた瞬間です。

高校生から金融やビジネスに興味があったと言っても、正直に言えば、輝かしい世界で活躍し、大金を稼ぐザ・エリートに憧れていただけかもしれません。これは森山さんとの面接ですぐに見抜かれましたが...

挑戦と失敗があってこその成功

いざ授業が始まると、IAが1週間の楽しみになりました。授業の内容は、金融やビジネスに興味があった僕には最高でしたし、優秀な講師陣や同期のメンバーと関われる時間は素晴らしいものでした。特に、講師の皆さんのお話を直接伺えたことは、私に新しい世界を見せてくれた、かけがえのない経験になったと思います。

講師の皆さんの経歴は名の通り素晴らしいもので、話を伺うまでは自分とは違う世界にいる存在だと思っていました。しかしいざ話を伺ってみると、(いい意味で)皆さん同じ人間だなという印象を受けました。普段我々がメディアを通してみる彼らは、まるで成功の連続のように映りますが、実際に話を伺うと、彼らが誰よりも大きなリスクをとって挑戦し、数多くの失敗を経験し、それでも諦めなかった結果として、今の成功があることを知ることができます。

「40歳手前で安定したキャリアを捨てて、スタートアップのCFOとしての挑戦を決意した」「会社の資金がショートして株主40人の前で謝罪した」など、成功の裏には大きな障壁があったことを彼らから直接伺えたことで、講師の皆さんが決して安定したレールの上を走ってきた訳ではないことがわかりました。同時に、もしかしたら自分も彼らのようになれるかもしれないと思いました。

リスクを取れる基盤を築く

さらに面白いのは彼らのリスクの取り方です。講師の皆さんはこれまで多くの挑戦や失敗を経験していますが、彼らのキャリアにおけるリスクはしっかり計算されています。ただ大きなリスクを取ればいいということではなく、ハイリスク・ハイリターンながらも、人生ゲームオーバーになるリスクを取ることがないようにそのキャリアを築いています。仮に挑戦が失敗してしまっても、また新たな挑戦に繋げられる環境があるのです。

これはIAのコンセプトであるリスクマネジメントに繋がる話で、投資に例えれば100万円を0円にしたらそこでゲームオーバーになってしまうけれど、50万円残せたなら、また新たな戦略で再出発することができるということと同じです。

私はIAで講師の皆さんの話を伺って、キャリアにおけるリスクマネジメントの重要性に気付かされました。それがきっかけで、金融の世界で自分のキャリアをスタートさせたいと思うようになりました。私自身が何か大きな挑戦をしたいと思った時に、躊躇なく一歩を踏み出せるようにするための基盤作りです。

金融という世界は私にとって興味のある分野であると同時に、そこで磨いた専門性はどんな形であれ必ず将来に活かせると思っています。将来金融一筋で生きる可能性もありますし、何か挑戦したいと思った時には躊躇なく踏み出せる経済的な安定や経験も得られますし、そして仮に失敗したとしてもまた新たな挑戦に踏み出せる環境を作ることができるキャリアパスです。

何もないところから大きな挑戦をして、大成功する人もいますが、私はライフラインなしにそこまでのリスクは取れないと思ったので、金融を軸にしたキャリアの方が自分には合っていると思いました。

IAは、私自身が何をしたいのか、そしてそれを達成するためには何をすればいいのかを考えるきっかけとなり、IAでの出会いや講義はその答えを見つけるための重要なピースでした。

柔軟な可能性を持つ

私は金融が好きです。将来はどこかで金融に関わる仕事ができればいいなと思っています。

IAに入るまでは金融こそが自分の生きる道だと確信していましたし、資本主義の頂点で輝く彼らに強烈な憧れを抱いていました。AIでの講義はその想いを一層強める機会となりました。

その一方で、IAの講師陣の話は、私が自分自身の可能性・選択肢を狭めていたと感じさせてくれるきっかけでもあります。

私にとって「人生で大きな成功を収める人」は大きな目標があり、それに向かって長い間計画的に行動できる人でした。自分もそうなりたいと思い、常に自分が何がしたくてそれには何が必要なのかを考えていました。しかし、AIで話を聞いていると人生って案外その場の巡り合わせの連続なのかも知れないと思うようになります。彼らは学生時代から人生を金融に捧げたいと思っていたり、起業したいと思っていたわけではなくて、今やっていることに全力を尽くして、自分に与えられたチャンスをものにした結果として、今の成功があるように思います。たまたま○○さんに会ったからかとか、当時○○に興味があったからとか、それが積み重なることで自分に適した環境や自分に会う人に巡り合えるのかもしれないと。寧ろ自分に降ってきたチャンスに柔軟に対応してきたからこそ、自分に合うこと、合わないことがわかっていくのかもしれません。

それ以来、私はできる限り自身の可能性を狭めず、チャンスを得るために2つのことを意識するようになりました。1つ目は、今目の前にあるものに最大限の力を使うことです。上司からの依頼には求められているものに何かプラスαの価値を出せるようにしたり、どうやったら知識を形に出るのかを考えたり、自分が学んだことを積極的に他人に共有してフィードバックを貰ったりと、今目先にあるものを最大限活かせるよう意識しています。結果として今の自分に適したチャンスが降ってくると思っています。2つ目はアンテナを高く持つということ。何か特定のことに興味を持つのは素晴らしいことですが、そこに集中しすぎて他の領域が見えなくなってしまうと、本来得られるはずだったチャンスを逃してしまうと思っています。私は金融に興味がありつつも、他の属性の人とも積極的に関わったり、少しリサーチしてみたりして、多様な情報に触れるようにしています。

IAでの講義は金融一筋の価値観から抜け出し、自分の可能性を広げるきっかけとなりました。目先のことに集中し、多様な情報に触れることで金融一筋の価値観から抜け出し、将来の自分に合った道を見つけられればいいなあと思います。

自分に素直でいられる場所 (おまけ)

IAの選考面接で金融に興味があると森山さんに伝えた時、「エリートに憧れてるんだね」と言われたことを今でも鮮明に覚えています。図星だった上にエリートに憧れてる、というと何だか中身がなく印象が悪い気がして、なんと言い返すか焦って考えていました。そんな時、森山さんが「素直に憧れを持つことは悪いことじゃない」と言っていたことが、私がIAに強く惹かれたもう1つの理由です。

私はIAに入るまであまり自分の素を出せる人間ではなかったと思います。自分の悩み事を他人に話すこともなく、弱みを見せることもありませんでした。これまで自分より優秀な人に囲まれて生きて来たので、無意識的に弱みを見せることが悪いことだと思っていたのかもしれません。そんな中、森山さんとの面接は、IAが自分を変える場所になるかもしれないと感じた瞬間でした。

振り返るとIAはまさに自分が素でいられる環境であり、自分を受け止めてくれる環境でした。周りのメンバーは恐ろしく優秀なのにも関わらず、劣等感を抱くことはありませんでした。同期のメンバーはとても優秀な反面、同時に謙虚であり、他人と比較するより自分のことに集中している人が大半を占めているように感じます。それでいて他人のことに興味がないわけではなく、私の話には耳を傾けてくれましたし、みんな私の夢を応援してくれます。なんなら積極的に自分の得意分野でないことについて周りから話を聞くことで、自分自身の引き出しを多くしているように感じます。お互いのことを知るようになると、ここなら自分が素直になれる場所だと感じました。

私自身を含め、受験や就活など、特定の指標(合格不合格や偏差値など)で自分を評価されたり、他人と比べられたりする環境にいた人にとっては、いつの間にか自分の弱みを見せるのが難しくなっているように感じます。とりわけ、これまでそのような環境の中で成功して来た人にとっては、「失敗できない」というプレッシャーや「他人よりも優秀だと思われたい」という考えに囚われがちです。私自身も、大きな成功を残して来たわけではありませんが、受験も失敗せず、様々なインターンや留学などを経験していく過程で、そう思うことが増えているように感じていました。

IAというコミュニティにはとても素直で謙虚な人が多く、失敗しても、周りの人がやらないような奇抜なことをしても、お互いを尊重するカルチャーが根付いているように感じます。そんな環境の中で、私はとても素直な人間になれたと思うし、私自身が私自身にかけていたプレッシャーもなくなったように感じます。気付かぬうちに自分にかけるプレッシャーやこれが正しい生き方だという固定観念はなかなか変えるのが難しいと思いますが、IAはメンバーや講師陣との関わりの中で、自分自身の価値観をアップデートしてくれる環境でした。


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