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流体力学を2%理解した

・流体力学すごい

流体力学、しってるか!? 雑に説明すると液体や気体の動き方とかについての学問だ。
出だしからかしこぶってしまったが、数日前まで僕の流体力学の理解度は1%で「流体力学」の読み方しか知らなかったから大丈夫だ。大丈夫じゃないかもしれないが。
だけど色々あって辿り着いた講義の動画がわかりやすくておもしろく、流体力学がどういう物なのか、普段僕たちがどれだけ流体力学の研究に助けられているかがわかり、今や理解度が2%…つまり倍になった。
だからこうして理解度1%のみんなに向けてギャアギャアほざき上げているという訳だ。

あと僕の理解度は2%なので、ここに書いてある事を人に話して恥をかいても知らん 動画だけを信じろ おれは酔っている

それではいってみよう
まずは件の動画からだ。

動画は1時間くらいあるので内容を一言で説明すると
『CGで自然現象(水とか)を表現する時にどういう計算、どういう方法を使えばより本物に近づけられるのか?』という複数の研究について解説している。

例えば液体の薄膜をCGで再現するための研究

スクリーンショット 2020-03-23 19.15.27

薄膜ってのは上の画像に写ってる水みたいな状態のことを言っている。
コップに入った水を人にぶっかける映像をCGで作りたいとき、薄膜状の水が再現できなかったらお話にならないよな
水を再現するなら薄膜の再現度は重要ってなんとなくわかったでしょ

スクリーンショット 2020-03-23 19.15.31

でも普通にシミュレーションすると現実通りの薄膜はできないらしい。
「オイ勘弁してくれよ!!」「粒子法って何だよ!!」「薄膜、再現したいよ!!!」という心の叫びに対して、安東先生が解決までの過程とその結果を各研究テーマごとにわかりやすく解説してくれる…というのがこの動画だ。
コナンとか推理漫画的なおもしろさがある。

・おれらと流体力学に何の関係があンだよという人へ

画像3

どんなに面白いコンテンツでも刺さらないことはある。実際僕はどうぶつの森があんまりよくわからない。刺さらないのが僕の文章由来だったらごめん
だからもちろん頑張って見る必要は無い。でもおまえと流体力学はメチャクチャ関係あるからな

難しい事言ってるっぽいから動画の視聴ハードルはなかなか高いけれど、キミの生活に映画やゲームが登場するのであれば、その時点で十分流体力学に興味を持つことができるだろう。3Dソフトを触った事あるとかなら尚更だ。
より具体的な例を出すとすればピクサー映画の水表現やスプラトゥーンのインクの表現は完全に流体力学の話だ。
そういった物を表現するにあたってどういう研究がされてるかをわかりやすく説明してくれる動画があったとしたら?見るよな それが上の動画だよ

3Dソフトを使ったことがある人はわかると思うが、レンダリング(3Dデータの書き出し)にはメッチャ時間かかる。ぼくは今まで「サボってんじゃないの!?」と思い、パソコンに檄を飛ばしたり、1%から進まないプログレスバーを油性ペンで無理やり書き足して100%にしたりしていた。この動画を見るとあの時間にコンピューターが何を計算しているか、どれだけ頑張っているかがわかる。
動画中のある研究では、計算にかかる時間を減らす取り組みについても触れられており、最終的に研究者の知恵と工夫で計算時間が1/4に減ったりする
レンダリングの待ち時間の裏に研究者とコンピューター両者のがんばりを垣間見た僕は感動し、二度とプログレスバーに落書きしない事を誓った。

この動画を通してキミが普段使っている物作りソフトを構成している技術や、普段見えない研究者たちの取り組みについてもなんとなく伺い知ることができるだろう。
君の好きなクリエイターが3Dツールを使って何か作ったとする。その人が作品のどこかに液体/気体の動きや形を取り入れていたとしたら、その作品は流体力学の恩恵の上に成り立っているということになるな!?そろそろおまえにも流体力学が自分にめちゃくちゃ関係あるという事がわかっただろう。流体力学あざす。
おまえらは二度と研究者をバカにできない おまえが一番好きなアレはその研究者によって存在してる物かもしれないぞ わかったな


・流体力学の理解度が2%になったら

上の講義動画を見て研究者たちが何をやっているのかなんとなくわかった君は、きっと次に目にする映画やゲームの見方が少し変わるだろう。
CGのどういうところにどんな工夫が凝らされているか、2%の理解とはいえなんとなく想いを馳せることができるから
キミが昨日観たMr.インクレディブルを明日また観てみるといい。少し違った見え方になると思う。キミのおもしろセンサーは神アプデを迎えたはずだ。
同じじゃねーか!とか言われてもそれはマジで知らない 同じ映画なんだから当たり前だろ そういうことじゃねンだよ

・SIGGRAPH

それを踏まえた上でオススメしたいコンテンツがある
SIGGRAPH、しってるか!?知ってるかもしれないが一応説明すると、上の動画で紹介したようなCGに関する研究成果を発表するための国際会議で、「世界最大かつ最高のCGの祭典」と言われている。毎年夏に開催され、世界中から最強の論文・作品が集まる。バキで例えるなら最大トーナメント編、ゲームで例えるならスマブラだ。
ここで発表された技術の多くがCGソフトの開発に活かされるというワケだ。ワクワクの権化みたいなイベントだよな

当然Youtubeで調べるとSIGGRAPHに出品された大量のデモ/作品を見る事ができる。これらは1ミリも知識がなくても、英語がわからなくても、目が見えさえすれば5歳児だって楽しめるとおもう。
ぼくもほぼ知識皆無だし何言ってんのか全然わかんなかったりするけど、ただ見た目がおもしろいという理由だけで暇な時にたまに見ている。

開始10秒で表示されるパンのヒートマップ、キモすぎる
というわけでSIGGRAPHのデモリールはオススメだ。
特に流体力学を2%も理解した今の君にならな

・まとめ

冒頭の動画で講義をしている安東先生は研究室の紹介ページで

私たちが「美しい」と感じるとき、それは見た目だけの問題ではなく、必ず何か数学的な根拠があると私は信じています。

と言っている。かっこよすぎワロタ
色んな研究と技術の発展を見るに本当にそうかもなとおもう。技術者の友達も同じようなことを言っていた。ぼくは技術系の事は本当に何もわからないけど、技術畑の人達には「人の感じる美しさって数値化できるのでは?」的なバイブスがあって、そこに向かって頑張ってるかんじがする。機械学習で自動生成とかもそういうことだよね多分
ていうかプログラムという性質上、そこを数値化できるって考えないと始まらないからかもしれないけど

ぼくは大学時代グラフィックデザイン科に居たんだけど、そこでは逆に「機械にマネできないものを作るぞ!」みたいな職人的バイブスがあったように思う(もちろん人による ゼミにもよる)。

きれいな見た目を作るという目的は同じなのに方法が真逆なの超おもしろいよな

僕はプログラミングやら技術的な何やらより圧倒的に絵描いたりデザインしたりの方が向いてるので、ひとまずこのビルドで正解だったと思うけど、自分がいた学科に数学的な取り組みから物を作る人がいたらどんな影響受けてたのかなとか、情報デザイン学科とか行ってたら今頃何作ってたんだろうなとかたまに考える。

あまり頭が良くないというか数字使う系学問の素養が無いおれにとって、流体力学を2%理解できたのは奇跡だ
もしキミが5%くらい理解したら、今度は逆におれに面白さを教えてくれ。

理解が浅くても、色々な2%を取り込んでどんどんおもしろセンサーをアップデートしてゆきたい そういう謎知識の集積が物作りに活かせるようになれるといいなとおもう。おれはどっちのバイブスもいいとこ取りでモリモリやってゆきたい

最終的にぜんぜん流体力学の話じゃなくなってしまった なんだよこれは
まあ学校を卒業しても日々勉強だという事だなんかおもしろトピックあったら教えてくれ。がんばろうな(無理やりなまとめ)

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おわり

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