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高校生と考える、「10代のこころ」
大人ではないけど、もう子どもでもない複雑なお年頃。
何者でもないけど、何者にでもなれそうな未来を持て余して、毎日毎日やってくる同じような日々を退屈に思いながら、それでも大人たちからの「若いっていいよね」という目を向けられて今自分が過ごしている時間には何か取り戻せない価値があるのだろう、と考えていた日々を思い出します。
どこまでも夢中で走って行けるようなエネルギーを持ちながら、同時にどこにも行くあては無いような、あの15歳〜18歳の頃を思えば、誰しもセンチメンタルな気持ちになる気がしますが、どうでしょう。
そんな思春期特有の「もやもやした気持ち」を思い出したのは、縁あって現役の高校生と話す機会があったからです。
長崎県の高校生からメールが届いた
知らない会社からのテンプレ営業メールで埋もれるイデアラボの問い合わせメールボックスに、ある日高校生から連絡がありました。
珍しいなと思い読んでみると、”自分達でテーマを設定し調査して、付属大学の先生に向けて発表する(参考)”というプレ研究的な授業があるようで、中高生のメンタルヘルスについて調べたいので弊社に相談したい、というもの。
代表の澤井は二つ返事でOK(フットワークめちゃ軽)で、修学旅行に合わせて12月の日程でお約束したところ、長崎県の純心女子高校から3名の学生さんが遊びに来てくださいました。
企業訪問といえば学校側が企業と交渉して行う…というのが一般的かと思いますが、彼女達は自ら調べて弊社を見つけて、直接連絡をくれました。行動力&リサーチ力がすごいです。マイナーな会社を見つけてくれてありがとう!
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あのシーボルトが、出島の医師として長崎を訪れた際に出会った最愛の人「お滝さん」。
植物学や自然科学にも精通していたシーボルトが、あじさいに「お滝」の名前からHYDRANGEA OTAKSA(ハイドランゲア・オタクサ)と学名をつけたという話に基づいてます…!
どうして高校生はしんどいのか?
彼女達がテーマにしたいのは、「高校生のメンタルヘルス」。中高一貫校に通う彼女達は、体験的に(彼女達の言葉を借りれば)「中学生より高校生の方が病んでる」と感じるようで、それがなぜなのか、いつからそうなるのか、どうしたらより楽しく思春期を送れるのか、というのが気になっているとのこと。
授業の中で先生からは、もう少しテーマを絞って「いろいろ調べるだけ」で終わらないようにとアドバイスをもらったものの、そもそもどうやって進めるのか、アンケートはどのように作るのかなどわからないことだらけ…。
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研究ってどうやって進めるの?
そこで、イデアラボが誇る精鋭コンサルチームの出番です(笑)!
代表の澤井と、自身も中学生のお子さんを持つ実験心理学者の北村がいつものように真剣かつ、わかりやすく愛のあるコンサルティングを展開していました。
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まずは北村から、テーマを絞ることの必要性を説きつつ、思春期、特に15歳〜18歳という時期のメンタルヘルスについてどの部分が知りたいかをヒアリングしていきます。(例えば、時期なのか、状況なのか、原因なのか、対策なのか…など)
その結果、テーマにしたいのは「心理的に落ち込みやすくなる状況があるのかどうか、あるとしたら原因は何なのか」ということではないかということになりました。
北村から、テーマについて何か仮説は持っているかと聞かれたものの、まだざっくりしかわからないことに気づいた彼女達は、なるほど仮説を立てるために文献を調べるのか…!と、「目的を持った文献検索」の意味にたどり着きます。
澤井からはGoogle Scholarの使い方や、自分の意見と先人の意見を区分するための「参考・引用文献の書き方」もレクチャーがありました。彼女達も研究テーマを決めるためにやるべき道筋が見えてきたことで晴れやかな顔になっていくように見えました。
次に、具体的にどうやって調査をするのかを考えていきます。
北村からは、いきなり自由記述で「あなたの悩みを教えてください」と聞かれても戸惑って何を書いていいかわからなくなるように、アンケートというのはこちらが聞けば何でも答えてもらえるものではないことの説明がありました。
そして一般的な方法として、例えば各年齢の生徒に、家庭や部活などカテゴリ別にどんな悩みがあるのかを聞いてみるのはどうかという提案を行いました。
澤井は分析方法も考えた上での設計が大事という話をしつつ、心理尺度という確立された質問項目を使用する提案がありました。心理尺度を使えば分析結果が根拠のあるものになる一方で、尺度のボリュームによっては答える人の負荷が高くなることがある、などの注意点もお話しました。
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研究って終わりが無いんですか…?
彼女達は知りたかったテーマに対して、すでに確立された「心理尺度」というものの存在があることに驚きつつ、1つの事柄について調べただけでは何か大きな結論に辿り着けないのでは…と疑問を感じ始めたようでした。
それを見た北村からは、こんな優しい言葉が。
「それはその通りなんだよね。研究って絶対終わりがなくて、1個調べたら『じゃあここはどうなの?』っていうのが必ず出てくる。だから研究者は一生研究してるし、他の人にも引き継がれて研究が続いていくんだよ。」
「自分の疑問と発見を世界と共有するために、研究者は論文を読むし、論文を書く。先人が築いたものに対して、自分がひとつ足跡を足していくという営みを『巨人の肩の上に立つ』って言うんやけど、そうやって自分も巨人の一部になることで、ひとりでは辿り着けなかった目線で世界を見ることができるようになるよね。」と、澤井からもまた素敵なアドバイスがありました。
その他にもいくつか進路や心理学全般に関する相談をお受けして、こちらも新鮮な気持ちで「心理学」をとらえることができた有意義な時間になりました。
彼女達からはこんな感想をもらいました。
・難しく考えてたけど意外と単純なことだった!スッキリした!
・ゴールが曖昧だったので、ずっと探究し続けないと行けないのか?と思っていたけどそれだけじゃないとわかって安心した。
多感な思春期…いろいろな感情の波にさらされながらも、健やかに過ごせますように!
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(澤井はおっさんのハートいらんやろ!と照れてましたが一番ハートの形上手い…笑)
イデアラボでは、こうした新たな出会いも大歓迎です!
企業様からの案件相談はもちろんですが、高校生の社会科見学、大学生、社会人…心理学についてのお話をしたい、という方がいらっしゃいましたらお問い合わせ(info@idealab.co.jp)までご連絡ください。
研究の知見を正しくビジネス現場に応用することで、研究で食べていける社会を目指しています。