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韓国ノワール映画が現場の人間がフュリオサ観たら最高だった話(フュリオサ感想)

マッドマックス:フュリオサ
監督:ジョージ・ミラー
日本公開:2024年5月31日

前作に引き続きバカな乗り物が大集合してバーッと走ってて、乗り物すげえ…(IQ2の感想)って感じもあり、でも前作とは違った手触りの作品になっている。それでいて面白いなんて!もしやジョージ・ミラー監督って天才では?(知ってた)

それにしてもこの手触りを私は知ってる。韓国ノワール映画だ…!
どうしたらそんな酷いこと思いつくんだ的な設定の中、敵味方問わず追い詰めに追い詰められて発揮される狂気と怒りでもって行くとこまで行ってしまう人間が見たくて韓国ノワールをつい観てしまうのですが、フュリオサもまさにそれだったので最高…!となりました。

ということで(?)まだフュリオサ観てない韓国ノワール映画好きな人も韓国ノワール映画未履修の人もイカれた改造車をニトロで爆走させて映画館へ乗り込んでください。

※以下映画の内容に触れています未見の方はご注意ください

全方位的に容赦なし

韓国ノワールといえば容赦が無いというのが私の印象です。主人公の置かれてる環境とかストーリー展開がめちゃくちゃ辛いとか暴力描写とか色々。
フュリオサも全方位的に容赦が無いと思いました。あと全場面に抜かりが無いという容赦無さ(?)もあり最高だと思いました。
世界の作り込みが丁寧で説得力があることによってスクリーンに写っているのは隅から隅まで荒唐無稽なのにあの世界で生き抜くことのシビアさが真に迫ってくるし何が何でも緑の地へ帰りたいフュリオサの渇望がめちゃくちゃ分かる。
フュリオサに降りかかる災厄の数々が容赦なく、フュリオサの歩む道の壮絶さがしんどいので前作にあったカラッとしたある種の開放感みたいなものは皆無だけど今回のじっとり重たい苦痛みたいなのもすごく好みでした。

修羅の道を降りることのできない主人公

『これは彼女の“修羅の道”』とはパンフレットの最後のページに書かれている1文。ところで私は修羅の道と形容していいような状況に身を置いていた人間が色々あってその道から降りようとするも結局降りることができない、みたいな展開が大好きなのですがフュリオサは緑の地帰還計画が本格的に始動し、これで修羅の道から降りられると思った途端に宿敵ディメンタスに阻まれて計画を潰された上、狂った世界で唯一信頼できるジャックを失ったことで復讐の鬼と化し再び修羅の道を爆走することになるのですがそれがまさに大好物の展開でヤッター!となりました。
ディメンタスを執拗に徹底的に追い詰めていく様も最高だし、ディメンタスが「俺はずっとお前を待っていた」って言うのも、心に虚無を飼ってる悪人が遠回りな自殺に主人公を巻き込む例のアレ(←?)じゃん!とかいちいちツボすぎて、そうそう私はこれを観に来たんだよ!と内心歓声を上げていました。
あと復讐しても大切な人達は返ってこないし復讐する側は宿敵を追い求めることで宿敵と同じ怪物になってしまうという復讐の末に虚無と苦味が残るタイプの復讐ものが好きなので、その点でもフュリオサ良いな~!と思います。
復讐の方法も本当に良さしかない。死んで楽にさせず、長く苦しませることができ生き地獄を味わわせることができる。めちゃくちゃ最高の映画でした!


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