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『君の膵臓をたべたい。』を読んで(生きることについて)

こんにちは。ふぱです。
今日は昨日読んだ「君の膵臓をたべたい。」についてお話ししていきたいと思います。

その前に一つご報告を、、、
とうとうmyパソコンが手に入りました
やったー⁽⁽٩(◍˃ᗜ˂◍)۶⁾⁾

大学に入るということで購入したパソコンが昨日届き、セットアップをして使えるようになりました!
なので今この記事はnewパソコンで作っています。
タイピングが遅すぎて作業効率がおわっていますが、いい練習だと思って頑張ります。

一応これからの話はネタバレを含みますので、気をつけてください。


導入

さて、本題の「君の膵臓をたべたい。」についてですが、読んだことがある人がとても多い作品だと思います。
逆に読書好きといいながら、これまで読んだことがなかったなんて、、、
と失望した方もいるかも 笑

正直食わず嫌いでした。住野よるさんは昔から好きでした。特に「よるのばけもの」が、、、

しかし、「君の膵臓をたべたい。」は、題名がなんだか気に食わなかった。流行に乗るのがいやだった。
そんな屁理屈をこねながら昨日まで先延ばしにしていました。

結論読んでよかった!

素直な感想

正直にいうとかなり複雑な気分です。
私は初め、盛大に泣くつもりで読み始めました。
しかし、読み終わって私は涙を流すことができなかった。

あまりにも彼女に訪れた終末が理不尽すぎた。

住野よるさんも、綺麗な終わり方のほうが楽だったはずです。しかしそれをしなかった、、、

この終わり方でなかったのなら、ここまでのメッセージ性は生まれなかったと思います。

それほどに強烈でした。

時間の保証について

私がこの本を読んで一番痛感しているのは、「時間、命の保証はどこにもない」ということです。

当たり前のように使う「また明日」。

この物語の主人公、春樹も、もちろん私も、まだ彼女は死なない、そんなことを心の中で堅く信じ込んでしまっていました。
しかし、春樹との約束を果たすことなく桜良は、死んでしまいます。
それも予定されていた死ではなく、偶然の死によって、、、

一年という短い余生しかない人も平等に命が奪われる現実の理不尽さ。
想像していたラストではなく、私はとても戸惑いました。春樹ならなおさらでしょう。

「なぜ、人は明日の命が保証されていると勘違いしてしまうのか」

そうでもしないと、自分が壊れてしまう。笑っていられなくなる。
だから相手、または自分に起こるかもしれない、死を考えないように。
そして、願うように「また明日」といっていたのかもしれません。

春樹の呼び方について

この作品は、主人公の名前がずっと伏せられて進行していきます。

その中で、【地味なクラスメイト】、【仲良し】、【?????】と表記が変わっていきます。

初め私は【】のなかは、桜良が春樹に抱いている印象だと思ってずっと読み進めてきました。

しかし、この物語は春樹の一人称。桜良の感情は、表情、終盤に出てくる『共病文庫』でしか読み取ることはできません。

また物語の中に
「名前を呼ばれた時に、僕はその人が僕をどう思っているのか想像するのが趣味なんだよ」
という春樹の言葉があります。

これは春樹が、桜良が自分に対して抱いてるであろう印象を想像して【】にいれているのでしょうか。

だとしたら、最後の【?????】は何が入るのでしょう。

最後、桜良が春樹に抱く印象が、春樹には分からなかったからこういう表記になったのかもしれません。はたまた、そうでないのかもしれません。
そんなことを想像させてくれるのも本書の魅力だと思います。

生きるとは

「生きるってのはね。
きっと誰かと心を通わせること。そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ」
人との関係の中で自分は形成され、生きているという、
人を、世界を愛す桜良らしい考え方です。

私はどちらかといったら春樹のような考え方の人間です。
そのためこの言葉がとても新鮮で印象的でした。

「君の膵臓をたべたい。」

この言葉は、この物語の上で間違いなくキーワードです。
初め桜良の発言からこの言葉は登場しました。

体に悪いところがあると、ほかの動物のその部分を食べ、病気を治す。
そんなテレビを見た彼女は、冗談で春樹に向け
「君の膵臓をたべたい。」
といいます。

そのあとは、しばらく出てくることはありませんが、
終盤の桜良が死ぬ直前そして、桜良の遺書の中この言葉が登場します。
図らずも、二人の最後のやりとりはこの言葉で締めくくられるのです。

性格の正反対の二人、彼らはお互いにとても興味を持ち、憧れをいだいていました。
「君になりたかった」「君の爪の垢を煎じて飲みたい」
そんなふたりの思いから、偶然二人の言葉が重なったと考えると、タイトルにふさわしいこの世で最も素敵な言葉です。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました。
たった一日で、このタイトルほど見方が変わる言葉を私は知りません。
最後に桜良の遺書である共病文庫から、春樹に向けた素敵な言葉で締めたいと思います。

「17年、私は君に必要とされるのを待っていたのかもしれない。桜が、春を待っているみたいに」

共病文庫






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