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【友に灯る】ぬくぬく生活 by 優しい友人

「先輩たちへのプレゼントの案を募集します」
 卒業する先輩に贈り物をするというのは、よくある話だと思う。大学生の時のサークルでも、先輩たちへプレゼントを贈ることになった。
 花束、マグカップ、タンブラー、ハンカチ、クッキー、Amazonギフトカードなど、いろいろな案が出た。ちなみに、「Amazonギフトカード」は私の意見。各自が欲しいものを買えるし、カードだから持って帰る負担も少ない。何といっても、名前に「ギフト」と入っているから贈り物には持ってこいだ。……と、思っていたけれど、「Amazonギフトカード」は早々に選択肢から外されてしまった。みんな楽天派かと思ったが、そうではないらしい。「Amazonギフトカード」は直接お金を渡しているみたいで、卒業のプレゼントとしては気が引けるとのこと。「ギフト」と書いてあっても贈り物に使えない場合もあると、その時に学んだ。
 それいいね! と、唯一言ってくれたのが、優しい友人。Amazonを使わない人もいるかもしれないから、スタバカードはどう? と改善案まで出してくれた。めっちゃいいやん! と2人で盛り上がった。まぁ、どちらも採用されなかったのだけれど。確か、プレゼントは花束になったはず。
 優しい友人は、大学のサークルで4年間を一緒に過ごした友達。彼はいつも、「いいね!」と私を肯定してくれる。この友人のもと、私はぬくぬくの大学生活を過ごした。

 そういえば、少し前にもぬくぬくがあった。

 Instagramを開くと、優しい友人のストーリーが投稿されていた。開いてみると、音楽ライブの写真。おっ、誰のライブだろう? と、写真をよく見てみると驚いた。そこには、私が数年前によく聞いていたアーティストの名前があった。心に響く素敵な曲ばかりだけれど、誰もが知っている人というわけではない。自分だけが知っていることの優越感に浸りたくなる、という自分勝手なあるあるもしっかり経験した。
 でも、親しい人が知っていたら知っていたで、うれしくなるのが不思議。あっ、知ってたんだ! とテンションが上がった。

 数ヶ月後、久しぶりに優しい友人に会ったとき。
「この前、この人のライブに行ってたよね。知ってたんや!」
「えっ、○○(私の名前)が前に教えてくれたんやん」
 おっと? そんなことあったっけ? どうやら、ちょうどハマっていた時に、彼にオススメしていたらしい。そして、しっかり「いいね!」をもらっていたそう。全く覚えていなかった。
 ダンスサークルということもあり、好きな音楽の話題で盛り上がることも多かった。特に優しい友人とは音楽の趣味が合って、よくお互いにオススメを紹介し合っていた。そういえば、彼は私がオススメした曲やアーティストをしっかりと聞いて、感想を伝えてくれたな。私は……気が向いた時だけ???

 やっぱり、ぬくぬく。


 noteでエッセイを書いていることとか、家族以外には言っていないな。優しい友人が知ったら何て言うだろう。いいね! おもしろそう! とか言ってくれるかな。うん、たぶん言ってくれる。

 頭の中でぬくぬくが反復横跳び。

 ぬくぬく、ぬくぬく。


終わり


以前書いた、優しい友人との思い出のエッセイです。よろしければ。


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