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#3 小児整形外科医とリハビリテーションとデザイン思考のプロセス

医療デザイン勉強会は毎月1回を目標に開催されています。今回のテーマは『リハビリ × 医療 × デザイン』でした。

ゲストに小児整形外科医である中川将吾先生(@sho5_naka)をお招きして、整形外科医から見るリハビリの「現場の声」を聴きながら、医療課題として区分し可視化していきました。
(中川先生のnote:https://note.com/famireha
また今回もグラレコはPTの豊原さん(@ryoko_PT)にお願いしました。

勉強会の動画はこちらです。

今回の医療側のテーマはリハビリでした。それとは別にデザイン側のテーマにもあったのですが対談ではあまり語れませんでした。

この記事では勉強会では触れられなかった、デザイン側のテーマや内容についても補足的な解説をしていきたいと思います。

デザイン思考のプロセス

デザイン思考には3つのプロセスがあります。

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前回の勉強会では、現場の課題を発掘するという3段階のうち第一段階「着想」にフォーカスを当てて勉強しました。

医療デザイン勉強会_210520-10

今回は「第2から第3段階まで行ってみよう」と事前に打ち合わせし勉強会に臨みました。ですので、課題や社会のニーズについて着想段階の作業を事前にメンバーで上げておきました。

課題のマッピング

こうして作られたのがこの図です。

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この図は各自が抽出した現場の課題を代表のクワハタさんがマッピングしたものになります。

課題は大きく4つのカテゴリーに分類されました。そして、さらに抽出された細かい課題が散りばめられています。そして小さな項目同士は線で結ばれています。

こらを使って会議をすると、マインドマップと同じで地図を用いながら話している感覚になるそうです。

このマッピングには作成者のの主観が入っているので、話し合いで適宜、項目のつながりも含めてアレンジしていくことが必要だと思います。自由に線をつなぎ変えてもいいじゃないのってことみたいです。今回はクワハタさんが図をいじって、他の人がしゃべる形になっていましたがその役割は固定しない方がより自由な発案になるかもしれませんね。

さて、課題が事前に挙げられて線がつながった、つまりマッピングされたことにより話し合いは活発化しますし効率もよくなります。課題の地図があれば、誰がどこを話しているか網羅もできるし、元の位置に戻ることもできるからです。

また、マッピングすることで課題の間を連想してつなげることができると、もしかすると別々だと思っていた課題が、実は一つの大きな課題として捉えることができるかもしれません。

リハビリにおける課題

さて、実際のリハビリにおける課題はと言いますと・・・

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先ほど挙げたマップとこちらのグラレコに濃縮されています。細かいところはぜひ動画をご覧ください。

①日本の診療報酬の設計の問題
・スキルがあって早くよくしちゃうと報酬を得られず、時間がかかってしまった方が報酬を得られる。
・新人でもベテランでも時間で報酬が決まっているので同じ価値
・あくまで病気をよくするにしか利用できない=予防には使えない。

②予防への関心の低さ
・どう広めていけばいいか?
・楽しさ、好奇心こういったところをいかにくすぐるか

③医療職が(無意識に)作っている壁
・コミュニケーションの問題
・外部との関わりをどうするか

こういった問題に一石を投じようと中川先生は新しいスタイルのクリニックを開設するようです。今後のご活躍に期待ですね!

デザインって何だろう

さて、デザイン、デザインって言ってきましたがデザインって何なんでしょう?

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デザインとは広義には思考過程、そのプロセスそのものを指します。この勉強会では、日々の創意工夫そのもの(その過程)をデザインと呼んでいます。マッピングはプロセスを表現することとも言えそうです。

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医療デザインは、医療における創意工夫です。医療現場がよりよくなるためのプロセスです。そして、デザインの本質は物と物、人と人の関係性から世の中、物事を幸せにしていくことです。

デザインの本質は関係性

ですからこのように抽出した課題に関係性を持たせる手法や作業はデザインなんですね!

最後までお読み頂きありがとうございました。
勉強会は毎月第3木曜日の夜行っています。
詳しい内容などにつきましては日本医療デザインセンターのSNSでご確認下さい。
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では、また!


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