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#1 イギリスが国家レベルで減塩した方法とは?

デザイン思考などと言ってはいますが、まだ理解も不十分で手探りのスプリンター外科医でございます。今回は前回ご紹介したメンバーで行った意見交換をご紹介します。内容としてはソーシャルデザインの話になります。

はじめに

食や健康に関しては、例えば糖尿病の方が摂取カロリーを制限したり、高血圧の方が塩分を制限したりなど個人の行動を変えること(行動変容)で、自身の健康を維持することが基本だと思います。
しかし、世の中には甘いものやしょっぱいものがあふれていて、テレビや街中には広告だら。そこかしこで目に付くように宣伝されています。意志が強くたって誘惑に負けちゃうことってあると思います。

ここで本日の登場人物を紹介したいと思います。クワハタ氏、N氏、K氏、S氏です。人物像はこちらの記事をご覧ください。今回は私からこの4名にお題を出して、それぞれが考えるという形式にしました。

そのお題は、、、、、
「イギリスでは減塩するためにとあることが行われました。個人の行動変容に頼らず環境調整することで成し遂げました。さて、どのような方法だったでしょうか?」です。以下の書籍を参考に出題しました。

さっそく勉強会スタートです!

S氏:興味深い話ですね。バッと閃いたのは、
・味の素の逆で塩を振る出口が、ちっちゃくなっている少なくなっているとか?
ただ、これだと小さな話で、国単位ではないですから、、、違うかな?

味の素は穴を大きくしたんですね。公式には
”このように、いろいろ工夫して作られたわけですが、世間では「味の素社は瓶の穴を大きくして随分儲かった」という噂が広がりました。しかし、このころの「味の素®」の売上高をみてもそれまでの伸びとかけ離れた増加を見たという事実もなく、面白おかしく伝えられたものと思われます。https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/aboutus/history/chronicle_2014/11.html”
とのこと。いずれにせよお客様目線で使い勝手を良くしたというデザインの一例です。

私:国単位なんです。環境が変われば人が変わるというかそうせざるを得なくなるみたいな?

N氏
・塩に税金をかけて2倍に値上げ
・塩が国からの配給制
・塩をスーパーなどで手軽に買えなくした
・塩の代わりにタバスコ料理を推奨し流行らせた
・塩を別皿で出すことを流行らせた
→料理に混ぜると感度が落ちるので、直接舐める式
とかを思い付いた!どやろ?

私:ハズレですけど、すごくいいですねえ! デザイン初心者ですが、政策みたいなことも、ソーシャルデザインなんでしょうね!

K氏
味を変える
イギリスは、塩味の強いパン、ビーンズ、ベーコンなどが多いからそれらの味変えるとか。

クワハタ氏
・汗だくだくの裸のオッサンの写真を使った
・「オッサンの味」とコピーが入ったポスターを飾る
・食卓に血糖値だか血圧だか、なんかの検査キットを配る
・甘い飲み物かなんなのかを配って塩分が強く感じるようにする。
・塩の容器をナメクジとか気持ち悪い形にする。

:ちょっとおふざけですねクワハタ代表。

K氏:行動デザインでいうと、塩をどす黒い赤にする。

クワハタ氏:タバコのパッケージみたいに、塩の容器におどろおどろしい警告を載せる。

K氏視認で摂取意欲を削ぐ

私(心の声):北風と太陽の北風作戦ですね。タバコなんかがそうですよね。パッケージにたくさん怖いこと書いたり。と思ってたらすぐ出てきましたね。恐怖や不安で消費を控えさせる戦略

K氏:注文を間違えるレストランとコラボして、塩の強い食事やテーブルソルトがなかなか来ないようにする。イギリス関係ないw

クワハタ氏:糖尿病専門のクリニックで、清涼飲料水のペットボトルの前に該当する量の砂糖をこんもり盛ってるところがありました。あ、横須賀の市役所にもありましたね。それの塩版。食事に入っている塩を見える化する。

このアイデアすごくいいです!!
こういうやつ↓ですね。(大蔵園さんのweb siteより)http://www.ohkuraen.com/publics/index/78/
塩のこれバージョン作ってみてもいいかもしれませんねえ。だれかやってみたい人いませんか?
ちなみに塩に関してはこちらの動画のNaの部分をご覧いただくといいかもしれません。

スライド17


まだまだアイデアが出ます

S氏:こうゆー勉強会って良いですね♪
アクティブラーニング形式で、創造力がつくし、その人の価値がや人柄もでますね(^^)自分で考えると記憶にも残りやすいし、楽しいですね♪♪♪
・可愛らしいアイドル、イケメンタレントなどを使って、イベントやライブで減塩をうったえる。
・塩レンジャーなる戦隊モノで、親子に減塩ラプソディーで、心と身体にうったえる。
・モスキートーンみたく、何らかの周波で、辛いものやしょっぱいものを食べたくなくなる仕掛け。

Nさんのに近いですが、、、。
・塩の価格を跳ね上がらせ、買いづらくした。家庭はもちろん、飲食店では、それに伴い、塩胡椒をはじめ、醤油など調味料をケチって、結果、料理が薄味になる。

クワハタさんの近いですが、、、
・選挙みたいに、塩の怖さ、反対に薄味の素晴らしさをうったえたポスターが町中に溢れる。

Kさんのに近いですが、、、
テレビCMでうるさいくらい流れて、視覚、聴覚でうったえる。
商品開発として
・一粒でも、かなりしょっぱい塩!その名も、しょっぱいですよ!
→ごはんですよ!にかけてみたのですが、面白くなかった。

この様な答えが出た時、何故?そう思ったか?
今、考えたそれらの制度を国が実施したら、ホントに解決出来るのか?など、深掘りするワークがあると良さそうですね♪
最後にアクションプランを1人1人宣言すると、違う形で、ダイエットプランにも繋がりそうですね。勿論、医療デザインにも。

答え合わせ

と、ここまでいろいろアイデアがでたところで正解の発表になりました。
正解は、10年かけて国中のパン(やハム、ソーセージ、チーズ、ポテトチップスなどのイギリス人の主な食塩の摂取源)の食塩濃度を少しずつ下げていったでした。その結果、収縮期血圧(上の血圧)が3mmHg低下し心筋梗塞と脳卒中の死亡率が4割低下しました。

K氏:これ、広義でわたし正解じゃないw?
何かご褒美ちょうだい!

N氏:俺も近い話があったっ!!

この2人にはのちにプレゼントが贈呈されました。

K氏(心の声):次回のプレゼントは美味しいモノでよろしくヽ(*´∇`)ノ

その他、気づきの多い勉強会になりました。なにか問題が起きた時、ひとりひとりが気を付けて防ごうというやり方は広く行われていると思います。

たとえばUSBメモリーによる情報漏洩問題が起きたとします。対策として「データを個人のメモリーに入れないで下さい」と注意するのと、PCのUSB差し込み口を物理的に塞いでしまう方法などがあるかなと思います。

また別の例ですけど、今回のような新しいウイルス感染が流行したとして、手洗い、マスク、三密を避けましょう!と個人の行動に頼るやり方と、住民は2週間家から出しませんよと強制するやり方なんかがあるかもしれません。

前者は行動変容と言えるかわかりませんけれど個人の気づきや努力に依存していて、後者は環境を変えることで防止しようと。問題解決の方法はその対象や問題そのもので色々なやり方があっていいと思います。でも、個人に頼りすぎるのはなかなかに難しいときもありますよね。プライバシーとか人権とかを考えると「強制は難しいよな~」とか思ってしまいます。

とは言え個人に頼るだけでなくシステムや環境をデザインすることでヒューマンエラーを減らす、問題を解決するというのが、われわれの目指す医療デザインです。こうやって勉強会をすることで少しでも社会の役に立てたらいいなと日々妄想を膨らませています。

勉強会は定期的に開催されています。ご興味のある方はぜひFacebookTwitterをフォローしてください。

次回もまたお楽しみに!



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