小説 俺は明るいんだ
俺は明るいんだ。
だから、明るくない知り合いと会うと、こういうやり取りがあった。
「おい、こら、お前は、なんでそんなに明るくないんだ。」
「わからないです。」
「お前よう、心の中で俺は明るいって言ってみろよ。そしたら、明るくなるかもしれないじゃないか。俺はいつも言ってるんだよ、俺は明るい明るいってよ。心の中だけじゃないぞ。口にも出して言ってるぞ。今言うぞ。俺は明るいんだ。俺は明るいんだ。俺は明るいんだ。」
知り合いの姿はなかった。
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