七惑星天導物語〈ナナホシテントウ・クロニクル〉
その恒星のスペクトルは宇宙の七不思議の一つと云われ、従える七つの惑星全てがハビタブルゾーンに収まっている。
不思議な太陽光をエネルギー源にして惑星間交流は盛んであり……無論そこには紛争も含まれる。
私は第一惑星出身のしがない外交官だ。我が国は強大な宇宙軍を有しており、その武力を背景に七惑星議会の議長を発足時から務めている。
会議場には私と同じくらいくたびれた顔つきの六人が揃っていた。第二~第七惑星の特使達だ。
今から十時間前に入ってきたニュースにより中立地帯の第三惑星に緊急招集された。
誰も口を開かないので仕方なく私が発言する。
「本当なのか。八番目の惑星が見つかった、というのは」
「ああ本当だぜ。今日から七惑星議会は八惑星議会だ。そして議長は俺がやる」
会議場の入り口が開け放たれ、そこには青白い肌の、何故かビキニを着た少女が立っていた。
後に九惑星戦争と呼ばれる長い物語の、伝説の一ページ目だった。
【続く】
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