見出し画像

アカデミー第3回: 意思決定の難しさを体感!

2021年5月13日(木)、「にいがたヘルスケアアカデミー・課題追求コース」の第3回講義が開催されました。今回のテーマは『意思決定スキル』!講師にはハイズ株式会社代表取締役の裵 英洙氏をお迎えしました。

本記事では、「アカデミー第3回 講義」の様子を簡単にお伝えしていきます。アカデミーに興味のある方、新潟のヘルスケアを良くしたいという思いをお持ちの方、医療課題に対してアクションを起こしていきたいと思っている方は必見です!


『課題追求コース』 全体スケジュール

2021年4月から始まった課題追求コースは、下記スケジュールで進んでいます。

画像1



講義 『意思決定』 裵 英洙氏

■ 裵英洙(はい・えいしゅ)氏
ハイズ株式会社 代表取締役 / 慶應義塾大学 特任教授

1998年に医師免許取得後、金沢大学第一外科に入局、金沢大学をはじめ急性期病院にて外科医・病理医として勤務。勤務医時代に病院におけるマネジメントの必要性を痛感し、10年ほどの勤務医経験を経て、慶應義塾大学経営管理研究科に入学。主席で修了しMBA(経営学修士)を取得。現在、ハイズ株式会社代表として、各地の病院経営の経営アドバイザーとして活躍中。また、アカデミックの分野では慶應義塾大学特任教授をはじめ複数の医学部客員教授を務め、病院経営に関して教鞭を取る。さらに、厚労省「医師の働き方改革に関する検討会」や「医師需給分科会」の公職を歴任。

本日は、課題の解決には欠かせない『意思決定スキル』を、前回に引き続き、ケースディスカッションを通して学んでいきました。

ケースディスカッションとは、特定の学習目標を達成するために、意図的に構成された教材を用いて学習者同士の討議を繰り返すことで、実践力を身につける教育手法です。

今回は、本講義のために書き下ろされた裵氏オリジナルの非常にリアルなケースをもとに、オンライン上で討議が進められました。


講義の流れ

まずはじめに、裵氏より ”ケースディスカッションでは参加者の方々からの発言がとても大事” であり ”絶対解ではなく納得解を出していこう” と、受講生の方々へメッセージが送られました。全体の中で発言するというのも、大事なトレーニングの一つです。

事前に配布されていたシナリオをもとに、早速討議が始まりました。本日はグループワークではなく全体で進んでいきました。

シナリオは「病院経営者が意思決定をする場面」を描写した非常にリアルなもので、まずは、意思決定の影響を受ける人(利害関係者)それぞれの視点からのメリット・デメリットについて意見を出し合いました。その後、利害関係者への説明や、意思決定の際の評価軸についても議論がなされました。

講義の雰囲気

あらゆる角度から捉えられたメリット、デメリット。その中から意思決定をするという難しさを感じながらも、受講生の方々からは非常に積極的に様々な意見が出ていました。

前回のロジカルシンキングで学んだ「MECE(ミーシー)」のスキルも使いながら、絶対解がないという難しいテーマにも関わらず、皆さん一生懸命に課題に向き合われます。「意思決定は、難しいからこそ逃げてはダメ」という裵氏からのメッセージも、しっかりと皆さんに届いているようでした。

医療課題には様々なステークホルダーが混ざっています。多くの視点から考えることができるのは、多くの専門職、医療に限らず様々な分野で活躍する方々が在籍する、本アカデミーならではの特長といえるかもしれません。


意思決定する際のコツ

意思決定をするにあたり「情報がないから判断がつきません」というのは許されません。決めないと始まらない、しかし決めることには責任が伴う。先が見えない、それでも決めないといけない。外部環境の変化が早い時代では、余計にその決定も難しくなります。

しかし、そんな状況下でも冷静な目で様々なステークホルダーを見て、意思決定をする必要があります。そのために必要な以下のポイントが、裵氏より皆さんにお伝えされました。

■ 判断基準(軸):
意思決定の方法論の一つとして『ステークホルダー × ProsーCons』で考えるということがある。まずは意思決定により影響を受ける人(利害関係者)を挙げ、それぞれをグループ分けし、そこからメリット・デメリットを挙げて頭を整理していく。意思決定をする人は、関係各所はどいうことを考えるのか、シミュレーションまたは現場にヒアリング、定量的なアンケートなどを行うことで声を拾う必要がある。

■ 意思決定後が勝負:
マネジメントは「意思決定×コミュニケーション」。意思決定後のコミュニケーションは、丁寧に行う必要がある。丁寧とは、相手の声をしっかり聞いて、分かりやすさを意識し、時間や回数などを十分にとり関わること。組織には、賛成・反対・どちらでもない(無党派層)という人達が存在するが、その「どちらでもない人」を反対にさせないことも重要。無理に賛成に誘導しようと説得する必要はないが、理由や経過報告はこまめにするのを意識すること。

■ 「仮説思考」が意思決定には有効
ビジネスにおける「仮説」とは、「まだ証明していないが、もっとも確からしい仮の答え」のことである。今ある限られた情報だけで問題の本質や解決策をイメージし、現時点で最も妥当だと思える結論を導き出す思考習慣のことをさす。優秀な人は「1を聞いて10を知る」というが、これができるのは「1の事実」から「残りの9割」を推測しているから。仮説を立てる早さ、仮説の幅広さ、仮説の精度の高さが大事。

裵氏よりメッセージ
意思決定は、情報や時間の制約がある中で行わないといけません。”難しいからこそ逃げてはいけない” という奥深さもあります。今日学んだことやロジカルシンキングのスキルを生かして、机上の空論ではなく、現場のヒアリングを行い、「現場で何が起こっているのだろう」と仮説をしっかりと立てて進めていきましょう。仲間と議論していく中で、意思決定の精度を少しずつ上げることができます。


次回アカデミー

次回のアカデミーは、5月22日(土)17:30 からオンラインにて開催します。テーマは『情報検索』と『インタビュースキル』。受講生にはどちらか1つから選択していただき進めていきます!講師は、BSNアイネットの清元ありさ氏(担当:文献検索)と、ハイズ株式会社の河村由実子氏(担当:インタビュースキル)です。

次回もお楽しみに!

にいがたヘルスケアアカデミー
受講生:新潟のヘルスケアをより良くしたい!と考えている県内外の方々
主催:ヘルスケアICT立県実現プロジェクト
運営:株式会社BSNアイネット・ハイズ株式会社
後援:新潟県
Twitter:アカデミーの活動や関連情報、新潟のヘルスケア情報や潜在的な課題などを発信しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?