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扇風機について

こんにちは。ictmと申します。
私は、夏の季語である扇風機をいつ出すかについて家族と話します。
話している時間が楽しいです。

今回は、角川学芸出版編『俳句歳時記第五版夏』
角川学芸出版、2018年
89頁以下90頁に載っている「扇風機」という季語について紹介いたします。

「数枚数の羽根を回転させ風を起こす装置。
天井扇風機、スタンド扇風機、卓上扇風機などがある。
近年は、クーラーが普及したが、室内に冷気を行き渡らせたり、
心地良い風や風情が好まれ、特に家庭で愛用される。」

次に「扇風機」という季語が
使われている俳句を紹介いたします。

「ひとり居のわれに首振り扇風機」

細川加賀が作った句です。

全体として作者は、優越感、背徳感と悲壮感を

伝えたかったのではないかと思います。
句の中に出てくる“ひとり居”というところで、
作者がどのような状況でいるのかが分かります。
ひとり日々を過ごす中で、首の部分を動かせる扇風機を買うという

選択をしているのです。
自分で、意思決定ができる優越感と

他人から意見が聞けない悲壮感、
さらに、ひとりだけれども

首を動かせる物を買ってしまった背徳感があり、
それを句にしたのではないかと感じました。
自分の事を表す我をひらがなで表記している所が

背徳感を象徴していると思います。

最後に私が、「扇風機」という季語を
使って作った句を紹介いたします。

「木製の扉と扇風機はうめく」

以前、旅館を訪れた際に扉から音がしていた事と
長年にわたって、使用された扇風機のことを

想像して句にしたものです。

俳句で伝えられる音について考えていきたいと思います。