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ICT支援員の明日について考える

タブレット学習

GIGAによって、学校にタブレットが入って早2年がこようとしている。

1年目は先生方も子どもたちもタブレットは初めての場合が多く、電源の入れ方やアカウント、パスワードの入力など、基本的な操作から始まり、次はクラスルームの作り方やジャムボードやスライドなどのアプリケーションの操作習得など日々忙しい日が続いた。

ある程度、操作やアプリの使い方が分かってきて、いざ授業活用となってきたときにまず、大きな課題に行き当たった。授業で活用できる適当な教材がchromebookにはほとんどないのである。

タブレットが、ある意味触ったことのない機械を使用しているというもの珍しさで子どもも興味を持って利用していたが、それが授業の改善や子どもの学力の定着や可能性を伸ばしていくための機械に変わっていくためには、もっと授業で使える教材が必要であった。

自作教材でのタブレット学習

1年目の後半、ICT支援員や教員はジャムボードやスライドを使って様々な教材を作り始めたが、なかなか追いつかない。ましてや授業など行ったことのないICT支援員が教材を作成するというのは非常に困難なことでもあった。

そうするうちに、各企業から授業支援ソフトやドリルソフトの無料試用のサービスが始まり、学校はそのそのソフトの利用が中心になって、ICT支援員もその操作方法を支援するという仕事に変わっていった。

現在、ICT支援員が教材を作成して、先生方に提供するということはほとんどなくなったんではないだろうか。その点では非常に気が楽にはなったのだが、ちょっと毎日のように教材ソフトを作っていた充実した日々からは寂しさも感じるが。

とりあえず、学習の理解や定着の促進はドリルソフトに任せて、授業改善は授業支援ソフトでやりくりするというのが今の流れではないだろうか。

そこで、現在のICT支援員の立ち位置を考える。

ICT支援員

タブレットの起動に関しては、子どもたちはスイスイとできるし、アプリケーションの使い方もある程度マスターし、ジャムボードで共有学習をしたりスライドで調べ学習をまとめたり、南の風中学校ではcanvaを取り入れているので、小学生でも大人顔負けのプレゼン資料を作れるようにもなっている。
ドリルソフトの使い方も覚えて、小学生でも自主的に学習もできるようになった。

こうした状況の中、操作で困ることが少なくなって、授業で支援を必要としないという場面がちょっと増えてきたように感じる。機械のトラブルはたまにあるが、そう頻繁にあるものでもなく、先生や子どもたち同士で解決できることも増えてきた。ちょっとしたマニュアルがあれば、そのマニュアルをみれば解決できる。

授業のシュミレーション

今後必要なのは、授業支援ソフト等を利用した授業改善と言うことになるのだろうが、授業を構想したり、指導案を練ったりというのは教師本来の仕事であり、ICT支援員がそれを提案するということはかなり困難である。

先生からこの授業ではコンピュータをどういう風に使ったらいいいのかという相談があるのが理想ではあるんだろうが、実は授業は日々行われているのに、ICT支援員が学校に来るのは週1回ということでは相談のタイミングがずれてしまう。

文科省の構想では4校に一人の支援員という発想なので、各学校に支援員が常駐ということは余程予算に余裕のある自治体でないと無理であろう。

ということからすると、操作についてはあまりICT支援員を必要としなくなった、でも肝心の授業改善でICT支援員とやっていくというのは時間的にもICT支援員の技量からしても無理がある。今後、ICT支援員の立ち位置はどこに行くのか少し不安が残る。

ICT支援員の明日はどうなるのか。

デジタル教科書

2024年にはデジタル教科書が導入されるので、2024年にはまた活躍の場が年度当初は増えてくるかもしれないが、操作についてはあっという間になれてくるだろうから、その後の立ち位置も気になる。

この約2年、先生方や子どもたちが利用できるように必死で仕事をしてきたが、結果として自立できるところまで育ってくれたことは喜ばしいことだが、その反面、今度は自分たちの場を少し失いつつあるあるというのも現実の姿である。

来年のICT支援員はどこを目指せばいいのか、ちょっと考えるICT支援員である。(続く)


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