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4年国語「百科事典での調べ方」

こんにちは。ぐうぽんです。

2学期中盤~終盤の4年生国語は調べ学習とのコラボレーションの時期。

光村図書「世界にほこる和紙」をきっかけに、総合的な学習の時間も利用して「伝統工芸」を調べ、そのよさを伝える学習活動が行われていると思います。

そこに付随するコラム的存在の「百科事典」は、単元としては軽く触れる程度になりがちですが、やり方を知ると調べ学習を進める上で大きなサポートになります。
今回はその授業をふり返ります。

元々やるつもりはなかった・・

「百科事典」の授業をお願いしたい。

そう言われたのは、大規模校の先生からでした。
行事の関係上、1時間で終わる授業をしないといけなくなり、元々計画していた単元ができない・・
そんな八方塞がりのときに提案として出たのです。

とはいえ百科事典の授業って、何をすればいいの?
悩んだときは指導書だ!と思い、指導書を読んでみると、

なんと!
指導情報が載っていない!

まじか!!!
これは困った・・

では来週お願いします~、と言われたもののどんなことをすればいいのかわからない。
教科書には「百科事典は背を見る、さくいんを使う、国語辞典と同じようにつめとはしらを使って調べる」くらいしか書いていない。
それじゃ説明して終わりじゃないか。全然時間が埋まらない・・

私は途方に暮れてしまいました。

困ったときの学校司書さん

勤務校の一つに、学校司書さんが常駐している学校があります。
これまでに何度か単元で使える本を紹介してもらったり、ちょこっと雑談したりと先生とはそれなりに交流をしていました。
そこで今回の件について相談をしました。

すると
「そしたらいい本がありますよ」

と、大きな封筒を出してくれました。

それは総合百科事典「ポプラディア」を買ったときについてきた付録だとか

中を見ると、使い方を説明した大きなポスターや指導案集など多くの情報が入っているではないですか!

他にも司書さんから百科事典のすごさや、他の辞書との違いを教えていただいたので、全く見えなかった授業のイメージが完全に見えてきました。

本当に学校司書さんには感謝しかありません!

子どもたちがのめり込んだ「ハテナシート」

今回の授業で効果的だったのは、付録にあった「ハテナシート」でした。

これは百科事典に載っている情報から各巻4問を出題し、答えを百科事典を使って探す活動用のワークシートで、担当する3校全てで使いました。

私が行った授業の展開です。

1.これまで使ってきた辞典には何があるか発問し、国語、漢字辞典の概要を説明させる

2.ポスターを使って百科事典の概説(背表紙、調べ方、国語辞典との違いなど)

3.「じてん」の字の違いに気づかせ、国語辞典は言葉、百科事典は事柄を調べるのに適している点をおさえる

4.ハテナシートをグループへランダムに配布し、指定された本を使って答えを探してもらう。終わったら本とワークシートを返却し、次のワークシートに進む(これを繰り返す)

ポプラディアは全18巻(うちハテナシート用は16巻)なので、順番で取ってもらうより、くじ引き感覚で引いてもらったほうがグループ内でも盛り上がるかなと思いました。

予想通り、活動は大変盛り上がりました。

活動の様子
少人数でも協力して頑張った

子どもたちは協力して問題の答えを探しながら、百科事典の使い方に慣れていきました。
集中すると前のめりになる子もいたり、早いグループは4枚以上のプリントをこなしたりと、1時間の授業を集中して取り組んでいました。
終了後の振り返りでは多くの子が「楽しかった!」「またやりたい!」といった意見が出ました。

成果と課題

この授業での成果と課題を挙げます。

成果としては、百科事典を情報源の一つとして知ってもらえたこと、読み物の一つとして国語辞典同様身近な存在として活用できるきっかけになったのが良かったと思います。
また、教科書では概説程度のため読んで終わりが多い中、じっくり時間をかけて体験できたので、百科事典への興味関心も持てたように感じました。

対して課題です。
まず、百科事典特有である「索引」を活用できなかったことです。
つい国語辞典のつめとはしらで探させましたが、後述する一件もあり、索引の使い方も触れたかったなあと思います。

次に、長音の探し方でした。
国語辞典と違い長音は伸ばした音での並びになっているため、例えばeスポーツの場合、国語辞典なら「いーす」に対し百科事典は
「いいす」になっており、見つからないと悩む子が多かったです。
はしらと索引の両立も必要と感じました。


百科事典は冊子化した検索エンジンとは司書さんのお言葉。
まさにその通りの内容量で、子どもたちの心を掴みました。
問題も読解力を養う良い問題でした。

調べ学習のツールとして百科事典の活用もぜひ検討して欲しいと思いました。


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