コーヒー事典vol.10 「ナチュラルとウォッシュド」
こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はコーヒー豆の精選方式についてのお話です。
コーヒー専門店で「ナチュラル」「ウォッシュド」などの表記を見かけたことはありませんか?この違いが分かると、コーヒー選びがもっと楽しくなりますよ。
コーヒーの味わいを左右する「精選」
精選とはコーヒーの果実から生豆を取り出す工程のことで、生産処理とも呼ばれます。
果肉を取って、殻をむいて…といくつか作業があるんですが、この順序が変わるだけで酸味や甘味、香りが大きく変わります。
コーヒーの味わいを決めると言っても過言ではありません。
コーヒーの美味しさをもっと引き出すべく、新しい方法もどんどん編み出されています。
《こぼれ話》
「コーヒーの味わいは掛け算」という考え方があります。
「栽培・精選・焙煎・淹れ方のすべてがコーヒーの味に影響する」という考え方です。
どんなに上手な淹れ方でも傷んだコーヒー豆だと美味しくならないし、良質なコーヒー豆でも淹れ方を失敗すると美味しくなりませんよね。
美味しいコーヒーのためにはどの工程も手を抜かない!という思いが込められています。
そんな精選工程の中から、今回は一般的な方法の「ナチュラルプロセス」「ウォッシュドプロセス」についてご紹介します。
ナチュラルプロセスとは
非水洗式、アンウォッシュド、ドライ方式とも呼ばれ、エチオピア、イエメン、ブラジルなどで採用されています。
水を使わずにコーヒーチェリーから生豆を取り出す方法で、
・コーヒーチェリーをまるごと乾燥させながら発酵
↓
・乾いた果肉とミューシレージ(ぬめりのある膜)、パーチメント(薄い殻)をはがす
という工程を経て、コーヒー生豆となります。
ナチュラルプロセスはふくよかな香りと甘味、熟したワインのような旨みがあり、独特の美味しさが世界中で人気です。
作業工程は少ないですが乾燥の見極めが重要で、傷んだ生豆を途中で見分けづらいこともあり、高品質のナチュラルコーヒーを生産するのはかなり大変だと言われています。
豆の見た目はこちら。
赤みのある生豆が混ざっていることが多く、焙煎すると豆の中心線(センターカット)が黒くなるのが特徴です。
ウォッシュドプロセスとは
水洗式、ウェット方式とも呼ばれ、世界中のコーヒー生産国で採用されています。
水を使ってコーヒーチェリーから生豆を取り出す方法で、
・コーヒーチェリーの果肉をはがす
↓
・水に漬けて発酵させ、ミューシレージを洗い流す
↓
・乾燥させ、パーチメントをはがす
という工程を経て、コーヒー生豆となります。
ウォッシュドプロセスはクリアな酸味、すっきりとした口当たりに仕上がることが多く、クセの少ない味わいが人気です。
作業工程が多くきれいな水がたくさん必要ですが、傷んだ豆を途中で見つけやすいので、ロスの少ない生産方法とされています。
近年、環境保護のために作業用水を少なくしよう!という動きがあり、ウォッシュドプロセスは細かく分類されることが増えました。(ちょっと難しいので、別記事にまとめようと思います)
豆の見た目はこちら。
生豆の色はムラがなく、焙煎すると豆のセンターカットが白くなるのが特徴です。
まとめ
ナチュラルプロセスは水を使わずに果肉をつけたまま乾燥させる方法。甘味のあるふくよかなコーヒーが好きな方におすすめです。
ウォッシュドプロセスは水を使って果肉などを先にはがして乾燥させる方法。すっきりしたコーヒーがお好きな方におすすめです。
精選方法が違うだけで味わいは大きく変わるので、この機会にぜひ飲み比べてみてくださいね。
あなたにぴったりのコーヒーが見つかりますように!
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