見出し画像

ブロックチェーン企業の4月の資金調達はデジタル決済の「Celo」など:クリプトワークスvo.28

2019年4月1日から4月30日までの期間に資金調達を行った企業・プロジェクトで今回、取り上げているのは合計で24社です。

5月に入ってからビットコインが80万円を久しぶりに突破するなど、仮想通貨界隈は再びやや盛り上がり始めていますが、ブロックチェーンプロジェクトはその間にも進んでいます。

今回、注目しておきたいのは、デジタル決済の「Celo」、先物取引所の「ErisX」、アート✕ブロックチェーンの「Artory」に注目です。特に今回は1Mドル(約1億円)~5Mドル(約5億円)のレンジの小型の資金調達が多かったです。

【2019/4/1-4/30】

<$10M以上調達:7社>

Bithumb $100,000,000 仮想通貨取引所
投資家:ST Blockchain Fund
URL:https://www.bithumb.com/

Bithumbは2014年に設立され韓国を拠点としている企業です。今回はシリーズAラウンドでST Blockchain Fundから資金調達を行いました。このST Blockchain Fundは日本のブロックチェーンファンドですが、代表パートナーなどは明らかになっておらず金融ライセンスを持つ日本の投資家が中心となって立ち上げたファンドのようです。
ST Blockchain Fundからの資金調達額は100Mドル(約100億円)と大型調達です。


Celo $30,000,000 デジタル決済
投資家:a16z crypto,9Yards Capital,Polychain
URL:https://celo.org/

Celoは2017年に設立された企業で、サンフランシスコを拠点としています。
ブロックチェーン技術を活用することで、携帯電話を使って誰でもが金融ツールにアクセスできるようにすることを目的としています。

プロダクトの全ては明らかにされていませんが、具体的には、携帯電話を使ってどこにいてもテキストを送信するのと同じくらい簡単に送金することができるようになり、モバイルウォレットとしての機能を持ちます。
また、保護された米ドルなどにペグした、価格が安定したステーブルコインのトークンの発行が計画されています。

Celoは今回が2回目の資金調達で、3社のVCから30Mドル(約30億円)の資金を調達しました。

投資家を見ていくと、アメリカの著名なVCであるAndreessenHorowitzやクリプトファンドのPolychain Capital、アメリカ最大の仮想通貨取引所であるCoinbaseや個人投資家ではlinkedinのリード・ホフマン氏や、TwitterやSquareのCEOであるジャック・ドーシー氏に並んで、日本を代表する現役サッカー選手であり指導者、経営者であり、KSK Angel Fundの本田圭佑氏が投資をしていることが確認できました。


TDE (trade ecology token) $28,000,000 仮想通貨取引所
投資家:Foundation Capital,Pantera Capital
URL:https://tdecoin.com/

TDEは中国を拠点としたブロックチェーン業界のオペレーターです。仮想通貨の取引所とウォレットのサービスを提供している企業のようです。
ホワイトペーパーも
今回はコーポレートラウンドで28Mドル(約28億円)の資金を調達しました。

ErisX $20,000,000 仮想通貨取引所、先物取引所
投資家:Nasdaq Ventures,ConsenSys,Pantera Capital,DRW Venture Capital,CMT Digital Ventures LLC,Dragonfly Capital Partners,Castle Island Ventures,ArcLight Capital,ED&F Man Capital Markets,Virtu Financial,TradeStation Technologies,Flow Traders,Cboe Global Markets,NYDIG,Susquehanna International Group
URL:https://erisx.com/

ErisXは今後、ドル建てでBTC、BCH、LTC、ETHの4種類、BTC建てでBCH、LTC、ETHの3種類の仮想通貨取引が可能となり、将来的には仮想通貨の先物取引所を目指しています。

ErisXは、イーサリアムの共同創設者でブロックチェーン開発企業ConsenSysの創設者でもあるJoseph Lubin(ジョセフ・ルービン)氏や、ニューヨークデジタルインベストメントグループ(NYDIG)COO/CFOのRob Flatley氏が取締役会に入っていることでも有名です。

ErisXは今回が3度目の資金調達となりシリーズBラウンドで20Mドル(約20億円)を調達しました。今回、そして過去の資金調達にはNasdaq Venturesなどが含まれていることに注目ですが、日本からはマネックスグループが前回のラウンドでは投資をしていました。

ビットコインの先物ではBakktが最も有名ですが、ErisXはその2番手にあたるでしょうか。

Flexa $14,100,000 決済
投資家:ICO(Pantera Capital,Nima Capital,1kx,Access Ventures)
URL:https://flexa.network

Flexaは2018年に設立され、ニューヨークを拠点としている企業です。ニューヨークを拠点としながら、いまだにICOで資金調達をしている企業があるんですね。しかもPantera Capitalが投資をしています。

ホワイトペーパーは公開されていないようなので、一部の適格投資家のみに対するICOを行ったものと思われます。


Next Big Thing AG $13,518,765 IoT
投資家:Talanx ag,HDI Global SE,Block.one,FinLab
URL:http://www.nextbigthing.ag/

Next Big Thing AGは2016年に設立され、ベルリンを拠点とする企業です。IoTとブロックチェーンの技術を使い新たなプロダクトを生み出そうとしています。

シリーズAラウンドで13Mドル(約13億円)の資金調達を行いました。投資家にはEOS運営のBlock.oneも含まれています。

Alt Thirty Six $10,000,000 大麻✕決済
投資家:-
URL:https://www.alt36.com/

Alt Thirty Sixは2015年に設立され、アメリカのアリゾナ州を拠点としている企業です。今回が4度目の資金調達で、10Mドル(約10億円)を調達し、累計資金調達額は11.6Mドルです。投資家については不明です。

プロダクトは「大麻のためのデジタル支払い」としており、Dashなどの仮想通貨を使って大麻の売買を行えるB向けプロダクトを開発しているようです。
日本国内で、このようなビジネスは通用しませんが、アメリカでは大麻市場が盛り上がってますね。

<$3M以上調達:9社>

Artory $7,300,000 アート
投資家:Spotify,Hasso Plattner Ventures,David Williams
URL:https://www.artory.com/

Artoryは2016年に設立されたニューヨークを拠点としている企業です。
アートの市場にブロックチェーンのテクノロジーを活用して、買い手、売り手、そして芸術品やグッズの所有者の繁栄と楽しさを守り、成長させることをミッションとしています。
日本の企業でいう所のスタートバーンさんに近いでしょうか。

今回が初めての資金調達のようで、7.3Mドル(約7億円)を調達しています。リードの投資家は音楽ストリーミングサービスのSpotifyである点にも注目しておきたいです。


Chainalysis $6,000,000 マネロン防止ソフトウェア
投資家:Mitsubishi UFJ Financial Group,Sozo Ventures
URL:https://chainalysis.com

Chainalysisは2014年10月に設立されニューヨークを拠点としている企業です。
Bitcoinビジネス向けのマネーロンダリング防止ソフトウェアを設計および開発しています。

今回が5回目の資金調達でシリーズBラウンドでは、日本の三菱UFJフィナンシャルとSozoベンチャーズから6Mドル(約6億円)を調達しています。累計の資金調達額は53.6Mドル(約53億円)を調達しており、前回のラウンドではAccelなどが投資をしました。

Lucid Sight $6,000,000 ゲーム
投資家:Digital Currency Group,Frontier Venture Capital,Galaxy Digital LP,Animoca Brands,Salem Partners,BreakawayGrowth Fund
URL:http://www.lucidsight.com/

Lucid Sightは2015年に設立され、ロサンゼルスを拠点としている企業です。
MLB ChampionsとCrypto Space Commanderのブロックチェーンゲームを従来のゲームプラットフォームに拡張するために資金調達を行ったとされています。


Fish blockchain Technology $4,464,617 
投資家:UBIAI Technology
URL:http://www.xyqkl.cn/ (接続不可)

Fish blockchain Technologyは中国の深センを拠点としている企業ですが、詳細は不明です。


Zengold $4,000,000 金
投資家:Benson Oak Ventures,Samsung Ventures,Elron Electronic Industries
URL:https://zengold.org/

Zengoldは2017年に設立された、中国を拠点としている企業です。
ブロックチェーン技術によって金を分散型取引ができるサービスを運営しています。

Cambridge Blockchain $3,500,000 ID
投資家:PayPal,Future Perfect Ventures,Flourish Venture,Omidyar Network
URL:https://www.cambridge-blockchain.com/

Cambridge Blockchainは2015年に設立され、アメリカのカンブリッジを拠点としている企業です。
ブロックチェーンを使用したデジタルID管理の提供を行っています。個人情報データの管理をエンドユーザーの手に委ね、プライバシーやセキュリティに保護された形でサービスを受けられます。

今回が2度目のシリーズBラウンドで3.5Mドル(約3.5億円)の資金調達を行いました。今回のラウンドでPaypalが投資していることに注目です。また、累計の資金調達額は13.5Mドルとなっています。


SparkSwap $3,500,000 アトミックスワップ
投資家:Initialized Capital,Pantera Capital,Foundation Capital
URL:https://sparkswap.com/

SparkSwapはオフチェーン上に構築されたアトミックスワップができる最初のビットコイン交換所です。
シードラウンドではY Combinatorなどから資金調達をしており、今回はシリーズAラウンドでの資金調達でした。

Truffle $3,000,000 
投資家:ConsenSys
URL:https://truffleframework.com/

Truffleはイーサリアム上での開発を簡単にするためのツールを提供しています。Truffleを利用している企業は、Amazonやマイクロソフト、JPモルガンが含まれています。

Utop $3,000,000
投資家:SBI Group,FPT Corporation
URL:https://utop.vn/

<$3M以上調達:8社>

Dongdong Sports $2,981,025
投資家:SBI Group,FPT Corporation
URL:https://utop.vn/

Ledger $2,900,000 
投資家:Samsung Electronics
URL:http://www.ledger.fr

Ledger $2,900,000 
投資家:Samsung Electronics
URL:http://www.ledger.fr

Blockdaemon $2,350,000
投資家:Lerer Hippeau
URL:https://blockdaemon.com


MakersPlace $2,000,000
投資家:Abstract Ventures
URL:https://makersplace.com/

BACC $1,482,997
投資家:Abstract Ventures
URL:-

Guesser $1,100,000
投資家:Version One Ventures,Boost VC,Compound
URL:https://www.guesser.io

Compound Labs $1,000,000
投資家:Bain Capital Ventures,Xpring
URL:https://compound.finance


いつもご購読を頂きまして、誠にありがとうございます。 “いいね”、“コメント”、“SNSでのシェア”、“サポート”などの反応を頂けることに感謝しております。 少しでも皆様に有益な情報を発信できるよう改善し精度を上げて参ります。