見出し画像

ブロックチェーン企業の10月の資金調達はジャック・ドーシーが投資した「CoinList」など:クリプトワークスvo.30

2019年10月1日から10月31日までの期間に資金調達を行った企業・プロジェクトで今回、取り上げているのは合計で7社です。

今回、注目しておきたいのは、ジャック・ドーシーが投資をした『CoinList』と、gumi cryptosが投資をした金融プロトコルの『Vega Protocol』です。

【2019/10/1-10/31】

<$10M以上調達:7社>

Golden Technology $141,316,789 領収書の電子化
投資家:WANDA Group,Tencent Holdings,Shenzhen Capital Group,Prometheus Capital,IDG Capital,Hillhouse Capital Group,China Capital Zhongcai Fund Management,CDH Investments
URL:-

Golden Technology(海南高灯科技有限公司)は、2017年に中国にてテンセントの出資により設立された企業です。
ビッグデータを活用した領収書・請求書等の電子化ソリューションをプロダクトとして、飲食店、ホテル、駐車場、ガソリンスタンド、小売店などの複数の店舗へサービスを展開しています。電子化ソリューションで培ったブロックチェーン技術を活用して、さらにサービスの自動化を推進する予定です。

今回はシリーズBのラウンドで10億元(約150億円)の資金を調達し、累計の資金調達額は約152億円となりました。
この資金はブロックチェーンとビッグデータ、クラウドコンピューティングの技術に使われていく予定です。

Coinbase CBT $80,000,000 IEOファンド
投資家:Coinbase,Sequoia Capital,Facebook
URL:-

Coinbaseはアメリカで最大の仮想通貨取引所ですが、このCoinbase CBTはIEOファンドだということです。
Coinbase CBTは約80億円の資金調達を行い、累計の資金調達額は約100億円となりました。
IEO(Initial Exchange Offering)はブロックチェーンプロジェクトの発行するトークンを、仮想通貨取引所が先行販売をするものです。投資家は市場で取引が開始される前の価格でトークンを購入することができ、IEOの参加者は公開価格より低い価格でトークンを購入することができます。
ICOとは異なり、取引所への上場が確定されているもので、BinanceやHuobiなどですでに利用されているものとなります。

これによりCoinbaseはさらに収益性を生むことができ、また仮想通貨バブルのようなものが来る可能性があります。Facebookはリブラの展開方法では失敗しましたが、今後については色々と模索していくと思います。

1年以上前からFacebookはCoibaseを買収するのではという噂もありました。今回はIEOファンドに投資をしていることで、資本的な関係性が初めて出てきたように思います。

Layer1 $50,000,000 マイニング
投資家:Peter Thiel,Shasta Ventures
URL:https://www.layer1.com/

画像1

Layer1は2018年に設立され、サンフランシスコを拠点としている企業です。
テキサス州に太陽光と風力発電を使った仮想通貨ビットコインのマイニング施設を建設する計画があるようで、中国の半導体企業と共同でマイニングチップの開発を行うようです。
今回の資金調達はシリーズAラウンドで約54億円を調達し、前回のシードラウンドと合わせると約57億円となりました。
ピーター・ティールが個人として前回のシードラウンドでの投資と、今回のシリーズAラウンドに参加していることでも注目されています。

PeerNova $31,000,000 金融
投資家:Mosaik Partners,Medici Ventures,Intuitive Venture Partners
URL:https://peernova.com/

画像2

PeerNovaは2013年に設立されアメリカのカリフォルニアを拠点としている企業です。
「Cuneiform Platform」という、ブロックチェーン、ビッグデータ、金融インフラストラクチャーのテクノロジーを使って金融業界での課題を解決するサービスを提供しています。
今回は約31億円の資金調達を行い、累計の資金調達額は約61億円となりました。

SKALE Labs $17,100,000 ブロックチェーンスケーラビリティ
投資家:Arrington XRP Capital、Hashed、ConsenSys Ventures、Multicoin Capital、Blockchange Ventures、Recruit Holdings
URL:https://skale.network/

画像3

SKALE Labsは2018年に設立され、サンフランシスコを拠点としている企業です。

複数のブロックチェーン基盤に対応可能なサイドチェーンSKALE(スケール)を開発している企業です。現在はイーサリアムのブロックチェーンのみに対応しているようですが、今後は複数のブロックチェーンに対応していく予定のようです。

今回はベンチャーラウンドで約17億円の資金調達となり、累計の資金調達額は約27億円となりました。

NuCypher $10,700,000 セキュリティ
投資家:Polychain,Compound,DHVC,Notation Capital,Bitmain,Arrington XRP Capital,Hashed,CoinFund,BitFury Capital,Y Combinator Continuity Fund
URL:https://www.nucypher.com/

画像4

NuCypherは2015年に設立されサンフランシスコを拠点としている企業です。
ブロックチェーンと暗号化技術を組み合わせた企業で、分散型システムで安全に個人情報を扱うできるようにするのを目指しているが、実際のプロダクトはまだリリースされていません。

今回はベンチャーラウンドで約11億円の資金をNuCypherが発行するNUトークンを購入する形で行われ、初期供給量の8%を購入されたことになります。
NuCypherの累計資金調達額は約16億円となります。

CoinList $10,000,000 資金調達プラットフォーム
投資家:Jack Dorsey
URL:https://coinlist.co/

画像5

CoinListは、2017年に設立されサンフランシスコを拠点としている企業です。
暗号資産などのデジタル通貨を利用した資金調達プラットフォームのプロダクトを開発しています。
トークンセールのプラットフォームとし利用されており、これまでにはNERVOS、TrustToken、ORIGIN、DIFINITYなどのプロジェクトがCoinlistを使って資金調達を行ってきました。
今回はベンチャーラウンドとして約10億円の資金調達を行いました。今回のラウンドで投資をしたのはTwitter、Squareの創業者でCEOであるジャック・ドーシー氏のみとなっているようです。
調達した資金は、仮想通貨取引所「CoinList Trade」の設立や仮想通貨ウォレットの開発等を行っていくようで注目です。

<$5M以上調達:1社>

Vega Protocol $5,000,000 金融
投資家:Pantera Capital,Rockaway Capital,NGC Ventures,gumi Cryptos Capital,Greenfield One,Eden Block,Xpring,RSK Ecosystem Fund,Hashed,Monday Capital,KR1,Focus Labs
URL:https://vega.xyz/

画像6

Vega Protocolは2018年にジブラルタで設立された企業で、分散ネットワーク上で金融商品の信用取引を行うためのプロトコルを開発しています。完全に自律的に自動的に動くエンドツーエンドの信用取引と金融商品の提供が可能になるそうです。

今回はシードラウンドで約5億円の資金を調達し、日本からはgumiが投資をしています。


以上です。下記の記事もオススメです。


いつもご購読を頂きまして、誠にありがとうございます。 “いいね”、“コメント”、“SNSでのシェア”、“サポート”などの反応を頂けることに感謝しております。 少しでも皆様に有益な情報を発信できるよう改善し精度を上げて参ります。