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ブロックチェーン企業の2019年11月の資金調達はパブリックブロックチェーンの「Nervos」など:クリプトワークスvo.31


2019年11月1日から11月30日までの期間に資金調達を行った企業・プロジェクトで今回、取り上げているのは合計で11社です。

今回、注目しておきたいのは、パブリックブロックチェーンの『Nervos』、分散型金融の『Compound』、STOプラットフォームの『OpenFinance Network』、クラウドの『Arweave』、クリプトグッズのマーケットプレイス『OpenSea』です。

【2019/11/1-11/30】

<$10M以上調達:4社>

Nervos Network $72,000,000 パブリックブロックチェーン
投資家:-
URL:https://www.nervos.org/

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Nervos Networkは香港を拠点としているスタートアップで2018年に創業している企業です。イーサリアム財団でヴィタリック・ブテリン氏らと研究者を開発を行っていたJan Xie(ジェーン・シエ)氏が創業者です。
現在、取り組んでいるプロダクトは、BtoB向けのオープンソースのパブリックブロックチェーンエコシステムで、分散型アプリ(dApps)や分散型金融(DeFi)サービスの構築に使われています。
ビットコインでも、イーサリアムでも実現できないことをこのプロダクトで実現しようとしています。

Nervosは2018年にクリプトファンド(セコイア・キャイナ、Polychain)から約28億円の資金調達を行っていたが、上海市や中国招商銀行から資金調達を行っているようです。
今回は2019年11月にICO(STO)により、約72億円の資金調達を行っており累計の資金調達額は約100億円となりました。

Bison Trails $25,500,000 ブロックチェーンインフラストラクチャー
投資家:Blockchain Capital,Kleiner Perkins,Coinbase,Accomplice
URL:https://bisontrails.co/

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Bison Trails(バイソン・トレールズ)は2018年に設立されたニューヨークを拠点としている企業です。
Bison TrailsはFacebookのLibra(リブラ)協会のメンバーとして名を連ねている唯一のブロックチェーンインフラ企業です。ブロック生成とトランザクション検証を備えたブロックチェーンシステムが簡単に構築できノードを数クリックで立ち上げられるプロダクトを持っています。

2019年11月にブロックチェーンキャピタルをリードとして、クライナー・パーキンスやコインベースなどから約26億円の資金調達を行いました。
これまでには、2018年にシードラウンドで5.3億円の資金調達を行っていることから、累計の資金調達額は約32億円となりました。


Compound $25,000,000 分散型金融
投資家:Andreessen Horowitz
URL:https://compound.finance/

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Compoundは2017年に創業され、アメリカのサンフランシスコを拠点としている企業です。ブロックチェーンを活用した、分散型のレンディングや金融業などと言われていますが、金融業のディスラプトに位置づけられると思います。
セキュリティ面さえ担保できれば、銀行などの貸金の手数料を抑えることができ、P2Pでのレンディングを行えるため正しい流れですね。

今回は2度目の資金調達でシリーズAラウンドでアンドリーセン・ホロウィッツから約25億円の調達を行いました。2018年5月にはシードラウンドで約8億円の資金調達を行っていたため、累計の資金調達額は33億円となりました。


Mythical Games $19,000,000 ゲーム
投資家:Javelin Venture Partners,Hashed,Alumni Ventures Group,Struck Capital,Galaxy Digital LP,SVK Crypto,Avon Ventures
URL:https://mythical.games/

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Mythical Gamesは2018年に創業されアメリカのロサンゼルスを拠点としている企業です。ブロックチェーンの技術を使ったゲーム開発を行っている企業です。現在はゲームのローンチがされてなく、開発中のようです。
CEOのJohn Linden氏は以前に経営していた会社がNianticに買収されるなど、ゲーム業界でのシリアルアントレプレナーとしても注目されています。

今回は2度目のシリーズAラウンドでの資金調達で、7の投資家から約19億円の資金調達を行いました。これにより累計の資金調達額は約35億円となりました。


<$10M未満調達:7社>

OpenFinance Network $8,600,198 デジタル資産取引プラットフォーム
投資家:-
URL:https://www.openfinance.io/

OpenFinance Networkはシカゴを拠点として、様々なセキュリティトークン(証券トークン)の各企業を繋ぐ、デジタル資産取引プラットフォームです。
tZeroやHarborなどが競合にあたります。

今回は3度目の資金調達で約9億円の調達を行いました。規模としては相当に大きくなると思いますが、まだそれほど多額の資金調達を行っていないため、レコードとして小さいか、規制が整備されるのを待っている可能性があります。
このあたりの証券トークンに関しては、ミートくんの情報をチェックしておくと良いでしょう。

Meeco $6,464,004 ID管理
投資家:-
URL:https://www.meeco.me/

Meecoは2012年に設立されたオーストラリのシドニーを拠点としている企業です。
企業向けや個人向けに個人のデータを管理するためのプロダクトを提供しています。


Arweave $5,000,000 クラウド
投資家:Andreessen Horowitz,a16z crypto,Union Square Ventures,Multicoin Capital
URL:https://www.arweave.org/

Arweaveは2017年に創業されロンドンを拠点としている企業です。
「永久クラウド」などとも呼ばれていますが、永久不滅のウェブサイトの根幹となるブロックチェーンを開発する企業です。ユーザーがArweaveのブロックチェーンにウェブサイトやアプリを構築することによって永久にアーカイブすることができます。
世界中のPCがストレージとして機能をするため、分散型のクラウドストレージとも言えるでしょう。

今回の資金調達は3回目でシードラウンドとなり、4の投資家から約5億円を調達しました。今回のラウンドではArweaveが発行する独自トークンであるARを使っての資金調達となりました。またリードの投資家はアンドリーセン・ホロウィッツであることからも注目しておいた方が良いでしょう。

競合にあたるのはFilecoinやDefinityにあたるでしょう。
マイナーとなってマイニングをすることもできますね。


Istox $5,000,000 STOプラットフォーム
投資家:Tokai Tokyo Financial Holdings
URL:https://www.istox.com/

Istoxは2017年に設立されシンガポールを拠点としている企業です。
セキュリティトークン(証券トークン)のプラットフォームを開発しています。

今回は2度目の資金調達で、東海東京フィナンシャルホールディングスから約5億円の資金調達をしています。
過去にはシンガポール証券取引所(SGX)からも資金調達を行っています。


TRM Labs $4,200,000 暗号通貨コンプライアンス
投資家:PayPal Ventures,Y Combinator,Initialized Capital,Blockchain Capital,SGH CAPITAL
URL:https://trmlabs.com/

TRM Labsは2017年に設立されカリフォルニアを拠点としている企業です。
暗号資産の詐欺や金融犯罪を防ぐためのソリューションを構築するためのプロダクトを開発しています。

今回が2度目の資金調達となり、5つの投資家から約4億円の資金を調達しました。また今回のリード投資家はPayPal Venturesです。累計の資金調達額は約6億円です。


Messari $4,000,000 ブロックチェーン調査会社
投資家:Uncork Capital
URL:https://messari.io/

Messariは2018年に設立されニューヨークを拠点としている企業です。
仮想通貨関連の事業を行う企業の財務情報をまとめたデータベースを構築している企業です。
今回は3回目の資金調達で約4億円を調達し、累計の資金調達額は約5億円となりました。

OpenSea $2,100,000 クリプトグッズのマーケットプレイス
投資家:StartX (Stanford-StartX Fund),Blockchain Capital,1confirmation,Animoca Brands,gumi Cryptos Capital,Dylan Field
URL:https://opensea.io/

OpenSeaは2017年に設立されサンフランシスコを拠点としている企業です。
Cryptokittiesなどのブロックチェーンゲームで保有することができるアイテムを売買できるマーケットプレイスを開発しています。マーケットプレイスもP2Pで運営されブロックチェーンに記録が残されるようになっています。

今回は3回目の資金調達で6つの投資家から約2億円を調達しました。日本のgumiも投資をしています。
ブロックチェーンのクリプトアイテム売買のマーケットプレイスは確実に来るであろう未来なので、その1つのプロダクトになる可能性があると思います。
競合は生まれやすいため、いかに多くのアイテムを集めて先行逃げ切りできるかが鍵となるでしょう。


Bitski $1,810,000 ウォレット
投資家:Winklevoss capital,Galaxy Digital LP,Coinbase Ventures
URL:https://www.bitski.com/

Bitskiはサンフランシスコを拠点としている企業です。
仮想通貨やNFTと言われるクリプトグッズを保有するためのウォレットを提供しています。
メールアドレスとパスワードのみでログインでき、シングル・サインオンでのログイン、どのアプリに埋め込むことができ、イーサリアムのERC20やNFTをサポートしています。

今回は3つの投資家より約2億円の資金調達をしており、前回のラウンドではピーター・ティールのFounders Fundからも資金調達していることから注目しておいた方が良いでしょう。



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