まいにち無職#5「無職、腹を括る」
無職5日目、月曜日。
今日も今日とて、朝6時起床。
いつも通り、庭で陽の光を浴びながら朝ごはんを食べていると、猫が入ってきた。
最近よく見るいつもの猫だ。
おはようだにゃん。
警戒心の強い野良猫のため、目を合わせないようにそ〜っと近づいた。
白ベースに薄い茶色の毛が混じっていて、左目に怪我を負っている猫さん。
保護したり、家猫にしたりすることは出来ないのだが、せめてうちの庭では、ゆっくりとしていって欲しいといつも思う。
野良猫に餌をあげると、必要以上に繁殖してしまい近所迷惑になったり、保護しても飼い主が見つからずに殺してしまうことになったり、結果として良くない結果になることが多いだろう。
だが、痩せ細っていて怪我をしている姿を見ると、何かしてあげたいと思ってしまう。
ほんの少しの鰹節くらいなら、あげてもいいんじゃないかなあ、と思ったりもする。
午前中は、スーパーに行くくらいしか用事を入れなかった。
何故なら、夕方から日雇いのアルバイトが控えているからだ。
変に動き回って疲れてしまってもしょうがない。
そう思っていたのだが、やはり手持ち無沙汰になってしまった。
そこで思いついたのが、庭の草むしりである。
庭なので移動も無いし、疲れたら止めればいい。
さっそくゴミ袋と軍手、スコップなどを用意して意気揚々と庭へと向かった。
気づいたら1時間近く草をむしっていたらしい。
首筋には汗がだらだらと流れ、しゃがんだ足は痺れ、軍手は真っ黒、ゴミ袋はパンパンに膨らんでいた。
無心になるとはこのとか、としみじみ思った。
少し草むしりするくらいどうってことないと思っていたのに、それ相応の疲労感が身体に残った。
それにしても、綺麗になった。
祖父が生きていた頃は、庭の整備はもっぱら祖父の仕事だった。
というか、れっきとした趣味だったのだと思う。
祖父が亡くなり、祖母が認知症を患ってからというもの、母は祖母の介護で手一杯で、庭の手入れをする余裕など無かった。
その頃私は青森にいなかったので、帰省するたびに荒れていく庭を見ては、母の苦労を感じずにはいられなかった。
祖母も亡くなり、母と2人暮らしの今でも、庭の手入れは後回しになっていた。
しかし、無職になった今、空き時間にちまちま庭の手入れをするのは、家のためにも、自分のためにもなる素晴らしいことのように感じた。
天国にいる祖父も喜ぶだろうし、私もこの家のために何かをすることで、どこか満たされる感情があった。
無心になれるので、何かむしゃくしゃした時や、一旦冷静になりたい時なんかに、「草むしり」お勧めである。
綺麗になった部分に、花や野菜の種を植えてみようかな、なんて思った。
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スーパーへ行って、今日明日の食事の材料を調達した。
書い忘れに気がついて買いに戻ったので、実質2往復することになり、無駄にいい汗をかいた。
無職は運動不足になりがちなので丁度いい。
しかし、無職になってからの方が身体は動かしていると思う。
8時間座りっぱなしのデスクワークは、あちこち動き回りたい私にはキツいものがあった。
今日の献立は、「冷やし豆乳しらたき麺」である。
麺をしらたきで代用することで、糖質を大幅にカットすることができるのだ。
私はコスパのいい人間なので、麺でもしらたきでも、大して変わらず美味しく食べることが可能だ。
豆乳に自家製の麺つゆを混ぜて、しらたきを入れる。
トッピングは、きゅうり、大葉、わかめ、出汁を取った後に残った鰹節、梅干し、刻みのり。
簡単なのに美味しく、梅干しの酸味が効いていて、暑い夏でもさっぱりと食べられるレシピだ。
草むしりをしながら、実は、炊飯器であんこを炊いていた。
というわけで食後のデザートに、炊いたばかりのあんこを食べた。
ちょびっとにするつもりが手が止まらず、ぱくぱく食べてしまった。
しかも、昨日残しておいた干し芋まで。
しらたき麺で糖質オフにした意味がない。
まあ、今日夕方からずっと立ち仕事なのだし、消費できるっしょ(大汗)
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いつもは夕方更新だが、今日は日雇いのアルバイトがあるので、この時間に投稿することとなった。
正直とても不安ではあるが、たかが数時間である。
今日頑張れば、ありがたいことにお金も貰えて、働いたという、社会に貢献したんだという、見えない報酬まで貰えることだろう。
明日の投稿にて、初の日雇いがどうだったのか、詳しく書けたらいいなと思う。
読んでくれた皆様、ぜひ、うまく行くことを祈っていてほしい。
24歳無職、腹を括って、いざ出勤。
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