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悩む僕ら

仕事終わり、足湯に浸かりながら書いている。
島での住み込みアルバイト生活も、早いもので今日で1週間が経つ。
聞いていたよりもお店の客の入りが良くなく、遅い時間からの出勤、早い時間での退勤が続いている。
お金を稼ぐだけの目的で島に来たわけではないが、体力と時間が余ってしまっている。
9月からはまた少し忙しくなり、島に活気が出てくるとのことなので、それに期待したい。

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私は悩んでいた。
何についてか?それは将来のことについて。
今は今しかないのだから、あまり遠い未来のことは考えないようにしようとは思っている。
が、しかし。
ずっと島にいるわけではないし、その後のことはまだぼんやりとしていて、未確定だ。
少しずつ「やりたいこと」がわかってきてはいるけれど、自分としてはもう少し明確にしたい。
だから今日はのんびりと足湯に浸かりながら、1度きりの人生をどう生きたいのか、ぼんやりと考えようと思う。

私は、誰かのためになりたい。
人を笑顔にさせたい。絵でも文章でも料理でも、私のつくったもので、人の心を動かしたい。
寄り添いたい。一緒に笑いたい。
そんな願望が、芯としてあるようだと気がついた。
でもまずは、自分で自分を食わせていかなきゃならない。養わなければいけない。

私は、地元である青森で、年齢を問わず孤独や寂しさ、生きづらさを感じる人たちと繋がり、笑って過ごせる居場所を作りたいと考えている。
けれど、人のために何かをする前に、まずは自分がある程度満たされていないといけないと思う。
私の目標はある種、ボランティアのような一面もあると思う。
けれど、資金がなければ回っていかない。
でも、利益を発生させるためにはどうすればいいのか、今の私には分からない。
起業するにしても、まずは情報収集からだろう。
フルタイムで働きながら、この目標に向かって突っ走る自信はないから、青森に帰ったらまずは契約社員か、アルバイトという雇用形態で仕事を探そうと思う。
働きながら目標に向かって、まわり道でもいいから、てくてく歩くのだ。

島を出て、また別の場所へ住み込みで働きに行くことは、現時点では考えていない。
島に来て1週間で、すでにたくさんのものを得てしまった気がする。
だから青森に戻って、島にいる間にどんどん増えるであろう得たものを活かして、行動を起こしたいと思っている。

起業を支援する相談窓口が地元にいくつかあるようだった。
そこに行ってみるのもいいし、お世話になっているキャリアカウンセラーさんに話を聞いてもらうのも良いかもしれない。
行きつけのブックカフェのマスターや、仲のいい住職さんにも相談してみようか。
高齢化を始め、結婚率の減少、少子化、貧困など、青森だけではなく、地方都市は様々な問題を抱えている。
私は、盛岡で1人暮らしをしていた時の孤独感、寂しさ、酷い時には死にたいとまで思った気持ちを忘れていない。
人知れずそんな思いを抱えながら日々頑張って生きる人たちに、居場所を。
誰もやっていないなら、じゃあ私がやろう。
母にこの目標を話すと、「そういう場所、あったら嬉しいなと思ってたよ。介護でしんどかった時とか、弱音を話せる場所があったらって…」と答えてくれた。
それを聞いて私は、より叶えたい思いが強くなったように思う。

みんなで集まって、美味しいご飯を食べる。
おやつを食べながら、悩みや愚痴、日々思っていることを対面で話す。
事態が深刻なら、専門の機関へ繋いであげる役目も出来たらいい。
車を持っていない高齢の方のためにも、カフェなど固定の場所で運営するよりは、市民センターや天気のいい時は公園などで、場所を変えながら行うのもいいと思う。
私は誰かのために何かをすることがとても好きだ。
絵を描いたり料理を振る舞ったり、そういうことがしたい。
イベント開催のチラシや、軽食のメニューは手描きしたいり、料理やおやつも手作りにこだわりたい。
身体も心も満たされる、そんな居場所。
母も、是非手伝いたいと申し出てくれた。
嬉しい。私1人だけではきっとできない。
頭の中でどんどん夢が広がっていく。
あれ、思っていたより具体的に考えているのかもしれない、とふやけてしわしわになった足を見ながら思った。

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島の猫に癒されている。
ちょっと嫌なことがあっても、島の自然と野良猫たちが、「だいじょうぶだあ〜」って言ってくれているような気がする。
私はよそ者だけれど、島は私を受け入れ、歓迎してくれているはずだ。
叶えたい目標のために青森には帰るけれど、私はもうすでに、島に来て良かったと思っているみたいだった。
明日から9月、季節は少しずつ秋になる。
島で過ごす1日1日を、大切にしたい。

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