36才SEの転職日記 vol.3
ふとしたきっかけで転職活動を始めた36才システムエンジニアの日記。
妻子は里帰り育児をしており、転職を機に妻の実家のある島根県への移住を目論む男の日々の苦悩を綴ります。
時折出てくるアマデウスは我が家のねこの名前です。
2022/2/6 → 2/21のつづきです。
2/21時点の選考結果
A社 : プログラマでの選考辞退 → プロジェクトマネージャとして再度面談
B社 : スクラムマスターとしては不合格 → 別のロールで再度面接
C社 : 内定 2月中に回答する約束
D社 : 一次面接の結果待ち
2022/2/22 → 3/7
2/22
妻に転職活動の現状を伝えた。恥ずかしかったが、辞退したり落ちたりしていることも隠さず話した。
感謝された。家族での健やかな生活に向けて行動してくれて嬉しいと。
里帰りして育児がだいぶ楽になったこと。実は広島に戻って核家族で暮らしていく自信がないこと。双子を育てる大変さについて。妻の言葉を聞いた。
夫として、父として、精一杯やるしかない。
2022/2/22。スーパーねこの日らしい。今日もアマデウスはかわいい。家を出るときはいつも寂しそうにしてくれる。僕も寂しいよ。いつもありがとう。
今日は二社面接がある。
仕事を早抜けするため同じ日に固めたけど、心労がすごい。
B社
部門マネージャ、チームメンバ、僕の三人での面接。
一度希望したロールで落ちたので緊張がすごい。と思ったら、ずいぶんとやわらかい感じでびっくりした。きっとできるよ、来てくれたら嬉しいって雰囲気だった。
今回求められるのは、とあるサービスの顧客サポートからエバンジェリストっぽい立ち回り、ゆくゆくはコンサルティングといった感じ。B社としては力を入れたいのでガンガン情報発信しつつチームを牽引して欲しいとのこと。
僕にぴったりのロールだ。多分、結構得意だ。
B社の代表は本当によく見てくださっているなと感激する。きっと一緒に働くメンバをとても大切に想っているのだろう。
ただ、チームメンバに仕事の楽しいところを聞いたらものすごく返答に困っていたのが気になる…。面白そうな仕事だと思うんだけどな。
A社
エンジニアとしては辞退したが、プロジェクトマネージャの立場としてチームメンバと一度話してほしいと依頼を受け面談した。
採用枠を設けるかは未定だが、検討のためにも話してほしいとのこと。本来は募集していない枠なのに、採用を考えてくれるとは光栄なことだ。
採用担当、部門マネージャ、プロダクトマネージャ、僕の四人での面談。
プロダクトマネージャの方が、さらにプロダクトオーナー兼マネージャ兼スクラムマスターみたいな働き方をしていて無茶苦茶大変そうだった。
業務ヒアリングみたいな形になったが、今抱える問題点とあるべき姿、そのためにどうしたらいいか、といった話をした。僕だったらこうしますよ的なアピールもしておく。
それぞれ素敵な方々で、面談なのかお悩み相談か分からんが、話していて面白かった。
プロジェクトマネージャの採用について社内検討するらしい。
首の皮一枚でつながったのかもしれない。
とりあえず、長かった一日が終わった。
2/23
以前の顧客である国立大学の情報部門から、大学職員にならないか?という連絡が来た。
過去何度も断っているが、時々連絡をくれる。今回は多分二年ぶりくらいだ。このタイミングってのが相変わらず不思議な縁を感じる。僕が気づいていないだけで転職活動してるのがバレているのか?
昔、師匠のミトさんに言われたことを思い出す。
「お客さんからうちに来てくれと言われることが、システムエンジニアとして最低限クリアすべきラインだ」
「引き抜きにあわなければ駄目だ!お客に信頼されろ!可愛がられろ!」
未だにこうやって誘ってくださり光栄なことだ。
島根に移住できないので残念だが断る。
社内勉強会の資料作り。僕が立ち上げた以上しっかりやり切って、組織の雰囲気を良くしたい。少しでも新しい風を吹き込めたらと、午前二時まで資料を作った。疲れた。寝る。
2/24
社内勉強会は無事終わった。思っていたより沢山の人が参加してくれた。やってよかった。
僕が思っていたよりずっと、この組織は変わろうとしているのかもしれない。数年前からずっと続けていた活動が、今やっと芽吹くってのはなんて皮肉なんだろう。もう少し早くこの兆候を感じることができていれば、とか、少し寂しい。
B社から面接通過と最終面接の日程調整の連絡が来た。
A社からもプロジェクトマネージャを採用することに決めたので、選考に進んでほしいとの連絡あり。
ありがたい。少しづつ未来へ進んでいるようだ。
しかし、時間がかかる。早く決めてしまいたい。日々が落ち着かない。二月がもう終わろうとしている。
2/25
D社から面接通過の連絡が来た。最終面接に進む。
最終面接にあたって、なかなかの課題が出た。今までの経験と知識を全部ぶつけなければいけない。重い。
正しく人を採用するためには相応の試練を課すことが必要だと思う。僕が採用担当でも同じことをする。土日はこれに費やすことになる。
昨日の社内勉強会が好評だったっぽい。泣きそうだ。アンケートには好意的なメッセージがたくさん届いた。これからも会社を引っ張ってほしいと。実に気まずい。
結局四月から経営戦略部に所属することになってしまった。がんばって断ったつもりだったが、バッチリ頭数に入れられている。
親しい方から、やっと一緒に仕事できるね!的な連絡が来た。
何も言えないので、ハートのスタンプを押下した。
2/26
A社から連絡あり。
プロジェクトマネージャとしての面接に際して、やっぱり何かしらのプログラム提出をしてほしいとのこと。エンジニアはコードで会話するため、僕の書いたものを見たいと要望があったらしい。
週明けには提出すると答えた。
散々苦心してつくったクソコードは悲しみの元捨ててしまったので、今日明日で書き直すことにする。プログラミングから逃げることはできないなーとつくづく思う。
D社の課題もある。恐ろしい週末を迎えることになる。
まあでもやるしかない。逃げてばかりではいられない。あと二日。命を削ろう。
最近は寝る前に子どもたちの動画を見ている。何度見ても可愛い。
二ヵ月近く会っていないな。寂しい。
2/27
帰ってきたSpring Boot地獄。
以前よりはできるようになっているけど、やはりきれいに動作するものは作れそうにない。
何かしら提出するといった手前死ぬ気でやるしかない。いや、死ぬ気でやらない方がいいのか?とかなんとか。わからん!
とりあえずクラスの大枠を作る。メソッドは実装予定の処理をコメントで書く。せめて、設計思想と何をどのように作りたいのかは伝わるようにする。実装できる部分を進めて、時間切れの段階で提出することにする。
2/28
こんな日に限ってシステムトラブルだ。そして追加の見積地獄だ。
いや、そりゃね、期末までに受注したいのはわかるが、気軽に「用件が変わったから急いで見積なおして」と言われると辛いものがある。企業活動の核である基幹システムはそんな軽いものではない。
A社に連絡し、提出期限を明日に変更してもらう。個人の事情でいい加減な仕事はできない。したくない。
常に吐き気がする。
C社には内定辞退の連絡を入れた。
家族のこともあり、やはり収入が下がる転職は避けることに決めた。
また数年後に胸を張ってオファーできるようにがんばりますと言ってくださった。
なんて光栄なんだろう。僕は人としてこの経営者を尊敬する。
3/1
なんとか無理やりA社にプログラムを提出した。マジで何もできなかった。せめて何がしたかったのかを伝えるために添付資料に概要や思想を書く。
本当にプログラム書けない。悲しい。
勉強してこなかったツケが回ってきた。プログラミング自体は好きなのだが、ここまでうまくできないと辛い。それなりに経験を積んだ人間が、自身の未熟な面と向き合うのはとても勇気がいる。身をもって感じている。
提出物を見たA社のエンジニア達は、僕の技術力の低さに驚いているかもしれない。ITコミュニティで講演する姿を知られているだけに、自身を晒すことは恐怖だ。
しかし、逃げなくてよかった。
逃げていたらコンプレックスは何倍にも膨らんでいただろう。プログラムを提出できたことで、以前より少しはマシな人間になれた気がする。
3/2
B社から内定出た。
条件等について代表と一対一で面談した。
なぜ一度不合格になった人間に対して、再度別のロールで挑戦する機会をくれたのか?と聞いたら、誰と働くかを大切にしているからと。僕と一緒に働いてみたいと。
本当にうれしい。この方との出会いに感謝する。
希望年収も守ってくれた。ありがたい。
今月中には回答する旨を伝えて面談は終わった。
本格的に未来を選ぶタイミングが来た。
会社を辞めて島根に移住するか、現職で未来を切り開くのか。
今まではどこかぼんやりとしていた。どちらの未来も見えていた。
片方を選び、もう片方を切り捨てる権利を得たのだ。
安堵と緊張が混在している。
とりあえずは、残りの選考をがんばる。
3/3
一晩経って決めた。現職を辞める。
選考途中のA社とD社、そして内定をもらったB社はどこも魅力的だ。そもそも本当に行きたい企業しか受けていないため、B社の内定が出た時点で転職の方向に舵を切れる。
ただ、現職の方々に対して、どの順番でいつ伝えるかを考えると、なかなか辛い気持ちになる。
ひなまつりだ。双子の男児なので人形は飾っていないようだ。これ以上の家族計画はないので多分我が家には縁の遠いイベントになるだろう。
最近子どもたちは手放しで立てるようになったみたいだ。すごいな。感動する。早く家族に会いたい。
A社から一次面接打診の連絡あり。
提出したプログラムを見て、ぜひ話がしたいとのこと。
絶対に落ちると思っていたのでびっくりした。面接は続く。不思議なものだ。この一ヵ月はA社課題に苦心しつつも、久しぶりにプログラムと向き合えたのでありがたいことだが。
勿論、お願いしますと回答した。
3/4
しょぼちむさんのエヴァンス本を読む企画100日達成だ。本当にすごい。尊敬しかない。
現職の先輩であるワタベさんに辞めようと思ってることを話した。社内の人間に初めて胸の内を明かした。
最初に報告するのはワタベさんだと決めていた。ものすごくお世話になった、心から尊敬する方だ。
俺だって同じ状況なら家族を取る。中道と一緒に仕事をしていて、いつかは辞めるかもなーと感じていた。中道のことを部下と思ったことはない、上下関係ではなく一緒に戦う仲間と感じていた。偉い方々は大騒ぎすると思うけど、堂々と辞める権利を行使すればいいよ。って言ってくれた。
僕はこの方に出会ってなければ、とっくに現職を辞めていたと思う。それも仕事が面白くないという理由で。
ワタベさんと一緒にした仕事は、炎上したにも関わらず、どんな時も前向きに楽しめた。日々大きな学びがあった。沢山大切なことを教わった。
素晴らしいマネージャであるワタベさんとの出会いに感謝する。
3/5
及川さんのプロダクトマネジメントのすべてを読む。とてもよい本だ。
D社の面接に備えて、プロジェクトマネージャやプロダクトマネージャの役割を自分の中で整理する。
井上さんの誘いで人生初のテニスをした。昨晩は久しぶりにニコニコ動画でテニミュを見て予習した。爆笑した。
テニスは向いていないことがわかった。そもそも球技が苦手だ。高校のスポーツ大会のバレーボールでは、速攻で穴と見抜かれて集中的に狙われた結果、ボロ負けしたことを思い出した。インストラクターに陸上競技経験者ってテニス苦手な人多いんですよね~って慰められた。
そのあと井上さんと遅くまで話した。
転職のこと、仕事のこと、一緒に運営しているITコミュニティのこと、僕のおすすめのAVのこと。くだらない話も沢山した。
広島から出て行くのは、寂しくなるなって言ってくれた。僕も寂しい。JBUG広島をはじめ、勉強会を今後も開催し続けて、それを口実に頻繁に遊びにくるよって話をした。
久しぶりに心が安らいだ。
社会人になってからできた数少ない親友だ。
ITコミュニティに参加して、井上さんに出会えてよかった。
3/6
月曜日の鳥取出張のため、前日に現地入りをする。
岡山で途中下車して大学時代の親友と会った。一緒に馴染みの煙草屋に挨拶に行った。
お互い昨年子どもが産まれ、煙草やパイプが吸いづらくなったって話をした。昔からの友達はいいな。とても楽しい時間を過ごした。
3/7
鳥取出張。片道三時間の道のりは長い。
帰りの電車で読もうとプロダクトマネジメントのすべてを持ってきたが疲れ果てて寝る。
明日はA社の面接だ。
3/7時点の選考結果
A社 : プログラマでの選考辞退 → プロジェクトマネージャで一次面接待ち
B社 : スクラムマスターとしては不合格 → 別のロールで内定
C社 : 内定辞退
D社 : 二次面接待ち
vol.4に続く。
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