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気分転換

ストレスがかなり溜まってきていたので、気分転換を兼ねて急遽関東旅行を決行。木曜~日曜(金曜午前はホテルでリモート勤務)で関東を満喫した。といっても、今朝は予想通り疲労が溜まっていたので午前中に帰宅して、旅の振返りを今している。昔に比べて、ストレスを自覚できるようになった点は良いのだが、衝動的な行動は相変わらずといったところだろうか。

木曜に始発で移動しながら新幹線の中で展覧会情報を収集し、エゴン・シーレ展、マリーローランサンとモード、ヒグチユウコ展をピックアップ。木曜と金曜午後でグルっと見て回った。エゴン・シーレの自我の強さに圧倒され(会場の人の多さにも)、マリーローランサンの社交会で遊離する雰囲気に幻惑され、ヒグチユウコの緻密でダークな世界観に翻弄されつつも、感情の機微を楽しむことが出来た。ヒグチユウコ展は金曜午後のためか女性が多く、「かわいい」という感想をよく耳にしたが、かわいいと感じる前に畏怖を覚えるのは私がおかしいのだろうか。

金曜夜は知人と食事。オレゴンですっかり嵌ってしまったクラフトビールを飲みながら会話や店の雰囲気を楽しむ。土曜は都会の展覧会巡りよりは散策できる場所に行きたい気分だったので、お勧めの場所を聞いてみたら、鎌倉なら1時間くらいで行けるとのことで決定。

鎌倉に向かう途中に検索してみると、葉祥明美術館があることを発見。氏の絵本やメッセージは心打つものが多く、自分用はもちろん、プレゼントとして贈ったりもしているのだが、美術館があることは知らなかった。円覚寺を散策しながら会館時間を待ち入場。こじんまりとした美術館だったが、優しさが滲み出る空間で、この旅で一番心が癒された。その後、ぶらぶらと歩きながら大仏を見たり、露店を眺め、その後江ノ電に乗って海とサーファーを見つつ、江の島で降りようか迷ったけど人が多かったためスルーして、藤沢から東京に戻った。

今回、旅のお供の本はエマニュエル・トッド氏の『我々はどこからきて、今どこにいるのか?民主主義の野蛮な起源』。まだ上巻しか読めていないが、現在のカオスな世界を、家族システムの観点から詳述している読み応えのある内容だ。なぜ今のような国、社会、思想になっているのかが、農業の発展、識字化率向上、宗教革命、産業革命、戦争などの歴史の中で、家族構造の推移と照らし合わせて述べられている。その中には、ホモ・サピエンスとはそもそもどういう特性があるのかといった内容もあり、単純に知的好奇心が満たされるだけでなく、哲学をする上で非常に重要な考え方を得ることが出来た。本著を読みながらの旅だったからこそ、芸術家達から受けたメッセージがより深くなったように感じている。

ということで、今回の旅を振り返って、こうやって文字に起こすことで、最後の気分転換が完了。片付けや明日の準備をして、今日は早々に身体を休めようと思う。

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