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野生動物が気になり始めた人への推薦図書3選

野鳥を追い続けてはや3年。野鳥観察を通じて、他の野生動物の生態も気になり始めてしまいました。そこで今回は、実際に読んでみてよかった野生動物に関連するおすすめの書籍を3冊紹介します。


1.「驚くべき世界の野生動物 生態図鑑」

見知らぬ土地の見知らぬ野生動物たちが、確かにそこで生きていることを感じさせてくれるのがこちらです。

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この図鑑の優れた点は、「地域ごと」に動物を分類して紹介していることです。
一般的に、あらゆるジャンルの動物を掲載した図鑑は、哺乳類、魚類、鳥類…のように動物の種類によって分類され、紹介されています。しかし、この図鑑はその動物の生態と不可分の地域の気候や地理などの生息環境によって分類されているので、「なぜそのような生態なのか」を理解する上で理にかなった構成です。

各地域の特徴についても見開きで紹介されており、動物と地域の関連性の理解が深まります。目次は、下記のようになっています。

・動物の生息環境
・北アメリカ
・中央アメリカと南アメリカ
・ヨーロッパ
・アフリカ
・アジア
・オーストラレーシア
・南極大陸

各動物の紹介にはトリビア的な記述もあるので、初めて知る動物でも引きつけられます。
例えば、アジアの東ヒマラヤ山脈に生息するユキヒョウ。ほえることのできない唯一の大型ネコであることや、暑い被毛に覆われた長い尾を寒さをしのぐマフラーのように使って眠ることなど、厳しい環境の中でどのように生き抜いているのかが紹介されています。想像を掻き立てられますね!

また、本書の画像はどれも鮮明で品質が高いです。この図鑑は大型本で、見開きで贅沢に画像が使われているページもあり、動物のダイナミックな動きが伝わってくるのも気に入っています。翻訳書ですが、日本語訳がとても読みやすいです。

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【驚くべき世界の野生動物生態図鑑】

監修 スミソニアン協会 , 小菅 正夫
翻訳 黒輪 篤嗣
出版社 日東書院
サイズ 301×252
ハードカバー、オールカラー、400ページ
発行日 2017年6月15日
価格  7,400円(税別)

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2.「100分de名著 ダーウィン『種の起源』」

自然科学者ダーウィンの「種の起源」を手っ取り早く読むのにうってつけなのがこの一冊。

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「種の起源」は、上・下巻に分けて出版されているものがメジャーですが、専門的なことへの理解が追い付かず、読み切れずに挫折しそう…と購入を渋っていたところに出会ったのが本書でした。ダーウィンが唱えた進化論や自然淘汰のエッセンスが、約100ぺージでまとめられています(しかもリーズナブル)。NHKのテレビ番組のテキストとして発行されたものですが、本書を読むだけでも「種の起源」でダーウィンがいわんとしていることの大枠がつかめます。

上・下巻で挫折してしまった人や、「種の起源」でどのようなことが書かれているのかの大筋を知りたい人におすすめです。

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【ダーウィン『種の起源』】

著者 長谷川眞理子
出版社 NHK出版
ソフトカバー、112ページ
発行日 2015年7月25日
価格  524円(税別)

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3.「生きものたちのつくる巣109」

生き物たちのお宅を紙上訪問!

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鳥類、哺乳類、昆虫、爬虫類、水中のプランクトンなど、さまざまな生き物の巣を109種類に渡ってイラストで紹介している書籍です。巣の完成形だけでなく、内部の構造やどのようなプロセスで巣が作られているのかも図解されており、自然界にあるものを駆使しながらいかに器用に巣を構築しているのかが分かります。

「巣」というと、木の枝や葉を重ねたおわん型のようなものや、アリの巣のような地面に穴を掘って作るものばかりをイメージしていました。しかし、それぞれが作る巣の形状や構造は多種多様です。

例えば、トタテグモの巣。地面に穴を掘り、獲物が近づいてきたら巣穴に引きずり込んで食べられるようになっていますが、なんと出入り口には土と糸で作ったフタをかぶせてあり、獲物にバレにくい仕様になっています。

オナガサイホウチョウという鳥の巣は、葉と葉をクモの糸で縫い合わせて作られています。糸を通すための小さな穴をくちばしで一つ一つ開けており、5本指のある人間でも難しそうな業をやってのけるのですから、その巧みな技術がうかがい知れます。

それぞれの巣は、その地域の気候や外敵から身を守るほか、子供を産み育てる時期の一時的な利用なのか、住み続けるためなのかなどの目的に合わせて無駄のない超合理的な作りになっていることが分かり、感心せずにはいられませんでした。

内容の充実度もさることながら、著者 鈴木まもるさんの生き物へのまなざしが伝わってくる、温かいイラストも魅力です。

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【生きものたちのつくる巣109】

著者 鈴木まもる
出版社 エクスナレッジ
ソフトカバー、オールカラー、159ページ
発行日 2015年10月15日
価格  2,200円(税別)

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以上、3冊を紹介しました。気になった書籍や、読んでみた感想など、コメント欄でシェアいただけると嬉しいです。

お読みいただきありがとうございました。


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