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「欧州」という話

「欧州」という話

今までも戦争はあったのに、どうして欧州各国は大騒ぎしているのでしょうか。

平和を祈りつつ、
少し考えてみましょう。

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ようこそ。門松一里です。静かに書いています。

いつもは、
「あまり一生懸命になるな」という話
https://note.com/ichirikadomatsu/n/n081dd28c9a6c
とか、
「沈黙」という話/「東アジアの思想」という話
https://note.com/ichirikadomatsu/n/n416e39d84b94
を書いていますが、本当はノワール作家です。

という話(ik)-2

という話(ik)を連載しています。

こちらは調査資料(エビデンス)を使った「思考の遊び」――エンタテインメント(娯楽)作品です。※虚構も少なからず入っています。

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欧州各国が大騒ぎしている原因は、これがヨーロッパの戦争だからです。

ウクライナとベラルーシとロシア(ウラル山脈以西)は東欧です。
※ロシアの西にカリーニングラードという飛び地があります。

ロシア連邦によるウクライナ侵略という、すぐ東の戦争だからびっくりしている?

ただそれだけが理由ではありません。

ヨーロッパであろうと、どれだけの人が亡くなろうと、これほどまで話題にすることはありませんでした。

たとえば、1994年のルワンダ共和国で大量虐殺がありました。

"Have you ever heard of Rwanda?"

恥ずかしながら、私がこの事実を知ったのは2004年のマイケル・マン監督の映画『コラテラル』(Collateral)の台詞からです。

トム・クルーズの悪役(殺し屋)が素晴らしいです。

殺し屋が言います。「見知らぬ一人が死んだだけだろう」と。

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この戦争が興味深いのは属国同士ではなく、主権国家による侵略と防衛である点です。

朝鮮戦争やベトナム戦争といった代理戦争ではありません。

そして、白人のキリスト教徒のヨーロッパでの戦争だということです。

逆にいえば、白人以外の異教徒の欧州以外の戦争であれば第三次世界大戦になりません。#blackjoke

白人以外を、異教徒を、欧州以外で、蹂躙していた白人のキリスト教徒がヨーロッパでの戦争に恐怖している様をみて失笑します。#blackjoke

とはいえ、ヨーロッパで戦争がおこって大騒ぎするのは、東京で大雪がふったレベルでしょう。#blackjoke

白人以外の異教徒の欧州以外の戦争で核兵器を使っても全面戦争にはならないのです。真剣になりえないのですから。

彼らの世界観では白人のキリスト教徒がいるヨーロッパこそが文明だからです。

それ以外は一つ下にあります。ですから、何があっても言い訳が成り立ちます。けれど、この戦争は兄弟による殺人です。

ウクライナは主権がある国家ですが、ロシアはウクライナには主権がないと考えています。同じように、ロシアは日本には主権がないと考えています。ある意味、日本国はアメリカ合衆国の属国ですから。#blackjoke

中期的には、今のロシアがもつ世界観は30年後には変わるでしょう。世代が替わるという広義のパラダイムシフトによって。短期的な問題解決の時期は2024年の大統領選挙でしょうか。どちらにしても長い年月が必要になります。

恐ろしいことに、ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチンが2024年の大統領選挙で勝てば、2036年まで大統領(2期12年)です。

法律を改正して任期を延ばす元首がまともであるとは考えにくいです。

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戦争というものは始まる直前が最高に格好いいのです。そして、縦横無尽な電撃戦。そこまでが美しいです。後は醜いだけです。

何を理由にしても戦争をしてはいけないのです。人類はまだ歴史から学んでいません。少しは賢くなりましたが、まだまだ高尚とはいえません。

ましてや「武器を棄て降伏せよ」という愚者がいます。侵略者に降伏したあとは奴隷になる歴史を知らないようです。人類が滅亡するまで永遠に「奴隷だった」といわれると想像できないようです。#タタールの軛

悪意の想像力がない人は、愚者である。

では、戦争を防止するにはどうすべきでしょうか。

GDPの防衛費のパーセンテージの上限を決める?
→あまり意味はありません。

国際連合安全保障理事会での、侵略した国の拒否権を停止する?
→すべての拒否権を停止する必要はありません。

すぐに停戦したところで、平和になると考えるのは早計です。

停戦した瞬間から血みどろの内戦になります。

内戦を防止するには、祝賀会で逮捕ですね。#blackjoke #狡兎死して走狗烹らる

#思考実験 ロシア軍が早期講和のために日本を侵略する?

そもそも二面戦は無理がありますし、揚陸する前に空爆されますし、制空権を取って揚陸したとしても兵站を続けられませんし、講和するとしても1875年まで後退してしまいます。#樺太・千島交換条約

#思考実験 中華人民共和国が台湾を侵略する?

「半導体があるから大丈夫」という人がいて不思議です。侵略者は、自分たちの世界観を共有できないなら、時計の針を進められないのなら、半導体がなかった時代まで時間軸を飛ばします。使えない財産を消し去ります。

#思考実験 可能性が高いのは属国同士での戦争です。#いつものパターン

歴史を鑑みるに、内乱(Civil War)を縮小する/避けるために属国こそ戦争せざるを得ない場合がほとんどです。#blackjoke

早期停戦を。次の内戦もすぐに収束を。平和を。

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多くの人は思考していません。ただ単に「選択」しているだけです。「選択」は時代や場所や立場といった環境に左右されます。本来の思考はそれとは別です。

世界観(ヴェルトアンシャウウング)という水面に思考がぼんやり浮かんでいます。#Weltanschauung

思考が強固になれば堰を切ります。

アドルフ・ヒトラーの世界観戦争(ヴェルトアンシャウウングリーク)によって殺められた国の後継がまた世界観戦争をしている歴史の不思議です。#不思議ではない

エーリヒ・フロムの『自由からの逃走』は1941年です。※独ソ戦の年です。

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理不尽に理不尽だということの大切さ重要さ、そして辛さを知って大人になる――なんてことはなくて、弱者が暮らしの中で不謹慎だと思うことこそ理不尽です。

繰り返しますが、世界観戦争において、その世界観が過ちであるかもしれないと考える世代になるのに30年ほど経かります。つまり、世代そのものが入れ替わります。考え方を変える人は少なく、世代が変わるだけなのかもしれませんね。#思想のパラダイムシフト

「凡そ理義の言は皆陳腐なり、之を言ふに於て陳腐なるも、之を行ふに於て新奇なり」
――中江兆民『一年有半』

およそ道理・正義の言葉はどれも凡庸です。これを言うのは凡庸ですが、これを行うのは大変です。

「其間又新聞紙なる者有り、各国の実形と虚声とを並挙して区別する所無く甚きは或は自家神経病の筆を振ひ一種異様の彩色を施して之を世上に伝播する有り」
――中江兆民『三酔人経綸問答』

ネットで、虚実綯い交ぜにして区別しないものや、ビョーキっぽく炎上させるものは、ホント広がりますよね。

ジョージ・オーウェルの小説『1984年』にニュースピーク(Newspeak)という言語がでてきます。党に対する「思考犯罪」をなくすためです。

それに対するのが教養です。

“われわれは、海で戦い、空で戦い、どれだけ犠牲を出そうとも、我々の領土を守ります。われわれは、森の中で、野原で、海岸で、都市や村で、通りで、丘で戦い続けます。”

【演説全文】ウクライナ ゼレンスキー大統領 何を語った? | ウクライナ情勢 | NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220315/k10013532101000.html

「先人の言葉に添えて、現状を語る」――こうしたことが教養であり、私たちの歴史です。

つまり、適切な引用が教養であり、日常の会話であれば「正確な文章」は必要ありません。文書にする場合に補完されます。また、一字一句正確に引用することにこだわってはいけません。すべてを記憶している人などいないのですから。

とはいえ、少なくともチャーチルの演説を知らない英国人はいないでしょう。なお、平野耕太の『HELLSING』の少佐の演説はこれの改変です。英国を攻めているナチスの将校がこれを説くから面白いのです。

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「人間であることは人間となることです」
――カール・ヤスパース『哲学入門』第6講「人間」
「自分の欲望に忠実であるなら、利益のあるものしか眺めなくなる。虚栄心にまみれたその知性は決して進歩しない」
――ジャン=ジャック・ルソー『人間不平等起源論』

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