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~第181回~「観月雅楽演奏会」

10月25日、令和5年度の観月雅楽演奏会が開催されました。
来場された皆様と月を愛で、そして氷川雅楽会による日本古来の伝統芸能「雅楽」に包まれる夕べとなりました。

日本最古にして日本独自のオーケストラ「雅楽」。
宮内庁楽部の楽師が演奏する雅楽は昭和30年(1955)に国の重要無形文化財に指定されています。
また、平成21年(2009)にはユネスコ無形文化遺産保護条約「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載決議がなされ、日本の伝統文化として世界的にも評価されるに至りました。

そもそも日本には上代から神楽歌や大和歌などがあり、これに伴う簡素な舞もありました。
そして5世紀頃、仏教文化の渡来と前後してアジア大陸諸国の音楽と舞が中国や朝鮮半島から伝来しました。
雅楽はこれらが融合して10世紀ごろに完成した芸術です。

その後、室町時代の応仁の乱以降、京都の楽人は地方へ散り、雅楽は存亡の危機を迎えましたが、江戸時代に幕府が南都楽所(奈良)、天王寺楽所(大阪)、京都方の楽所を中心に禁裏様楽人衆を創設し、宮中の雅楽を復興させます。
そして明治時代には政府が三方楽所や紅葉山楽所の楽人を東京へ招集し、雅楽局が編成されます。
これが現在の楽部の基となります。

ちなみに宮内庁楽部が公式に祭典音楽を奉奏するのは武蔵一宮氷川神社のみで、現行の雅楽のめぐりをはじめて皇居以外で奏でられたのも氷川神社です。
その後、一般の人も雅楽演奏が可能になり、氷川神社でも昭和11年(1936年)に氷川雅楽会を発足し、現在に至っております。

氷川雅楽会の観月雅楽演奏会は演奏を楽しむだけではなく、雅楽の歴史と心を受け継ぎ繋いでいく人々の心に触れるヒトトキでもあったのです。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕


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