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~第136回~「新嘗祭の話」

11月23日は現在、祝日「勤労感謝の日」とされますが、本来は「新嘗祭」の日です。

新嘗祭は「にいなめさい」「にいなめのまつり」または「しんじょうさい」とも呼ばれる大祭ですので、神職は神社に参籠し潔斎の上、奉仕を致します。 そして、その年の収穫に感謝して新穀を神様にお供えし、来年の豊穣を願います。 「新」は新穀を、「嘗」はお召し上がりいただくことを意味し、収穫された新穀を神様に献じ、その恵みに感謝し、国家安泰、国民の繁栄を祈るのです。 新嘗祭は古くは宮中祭祀として、旧暦11月の2回目の「卯の日」に行われていました。

現在では全国各地の神社で11月23日に行われていますが、これは明治6年(1873)年に新暦へ移行した際、祭日が新暦の11月23日になったことによるものです。 古代より連綿と続いている新嘗祭は、一度途絶えたことがあります。

後花園天皇の寛正4(1463)年から280年近く中絶していました。

これは当時日本を揺るがし後の戦国時代への幕開けとなった「応仁の乱」と、それからの朝廷の窮乏によるものでした。

新嘗祭としての本格的な再興は近世の桜町天皇の元文5(1740)年からです。

そして戦後、稲作だけではなく全ての勤労に感謝する祝日「勤労感謝の日」に定められ、現代まで続いています。 新嘗祭が、日本史に残る戦乱の影響を受けた大祭でもあることはあまり知られていないのかもしれません。

ですが、神様に恵みを感謝する日本人の心があるからこそ現在でも連綿と続くのです。 感謝と祈り。

これからも大切にしていきたい日本の心です。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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