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~第98回~「さとかぐらの話し」

3月15日は郷神楽祭です。
神社で行われる芸能といえば、神楽を思い起こす人が多いかもしれません。
神楽とはご神前で行われる歌や音楽、舞などの芸能のことで、語源は神様をお招きする場所「神座(かむくら)」と言われております。
「楽」という言葉自体は『古事記』ではアソブと読まれており、アソブ(遊ぶ)とは古代においては鎮魂の歌舞を意味していました。

その神楽ですが、宮中で行われる神楽「御神楽」に対し、民間で行われる神楽を「里神楽」と言います。
里神楽はその内容によって様々の名称があり、地域でそれぞれ独自の神楽があります。
関東では、仮面を付けた黙劇の里神楽が定着し、神話の世界を題材としたものを中心に演じられました。
また、それを演じる専業の神楽師が活躍したことも特徴として挙げられます。

江戸時代、神楽は庶民の娯楽としても人気だったようで、氷川神社でも神楽が盛んに奉奏され、江戸期には8000人ほどの人が集まったとの社記があります。
現在神楽を奉奏しているのは市内の大成神楽社中の方々で、3月15日は、祭典中に舞殿で、祭典後には神楽殿で神楽を奏します。

境内の額殿には往時を伝える額が残っています。
神社にお参りの際、探してみてはいかがでしょうか。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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