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~第41回~「的神事の話」

新しい年を迎え、気が付けば2月が近づいてまいりました。
2月といえば節分祭(今年は2月2日)が有名ですが、2月7日の的神事(いくわのしんじ)も歴史が古く、裏側に「鬼」と書かれた的を射抜く行事です。

的神事は古くは流鏑馬の神事で、改暦以前は1月7日に行っておりました。
現在は本殿祭の後、奉射の儀により邪を祓います。
神前には通常の神饌に加え若菜御飯をお供えし、祭典終了後、境内に設営された的場で神職並び弓道家が弓矢で的を射ます。

このように年頭に行われる弓神事は、関東では「オビシャ」とも言われており、他にも的射、百手、弓祈祷などの名称があります。
弓を射て、その年1年の農作物の作柄など神意を占う予祝(よしゅく)行事でした。

予祝行事とは、新春の耕作開始に先立ち、主として小正月に豊作を祈って行う前祝いの行事のことで、日本人が古来大切にしてきた五穀豊穣への祈りです。
古来続く変わらない祈りを、これからも大切にしてまいります。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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