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~第76回~ 「抜穂神事と稲刈りの話」

氷川神社では10月9日、「抜穂神事」を取り行います。
これは当社における古の新嘗祭で、当日は五穀豊穣を感謝して稲穂と団子をご神前に献じます。
神様に収穫を感謝する神事で、今年県内で植えられた稲穂を刈取りお供えします。

抜穂とは『大辞泉』(小学館)に、
「稲の穂を抜き取ること。また、その穂。特に大嘗祭(だいじょうさい)の時、悠紀(ゆき)・主基(すき)の斎田の稲の穂を神饌(しんせん)用に抜き取る神事」
と解説されておりますが、大嘗祭に限らず、この神事は「新嘗祭」として現在でも全国の至る所で行われます。
抜穂祭は地域によって「ぬいぼさい」「ぬきほさい」など名称は様々です。

古来、春に農耕の実りを祈り、そして秋に神様に収穫を感謝するという、祈りと感謝を忘れずに過ごしてまいりました。
現在のように稲刈り機など便利な道具も無い大昔の日本人が、稲穂を一本ずつ抜き取っていたころの面影を感じる大切な神事です。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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