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夫が隠れアスペルガーだと気付いた話

「隠れアスペルガー(受動型)」という人たちがいるそうだ。診断がおりるほどではないが、ASDのいくつかの特性が当てはまるという状態をさすらしい。夫は多分……というか絶対それだ!と、つい先週気付いた。

発達障害の知識について

私の息子は「積極奇異型のASD(自閉症スペクトラム)」と「ADHD(注意欠陥多動性障害)」「LD(学習障害)」だ。友人にも同様の発達障害を持つ人が何人かいる。

そのため、必然的に発達障害について勉強をする機会が多かった。限定的にはなってしまうが、周囲にいるタイプの発達障害の特性についてはかなり詳しい方かと思う。その中のどれにも当てはまらないのに、なんとなく生きづらさを抱えているのが、夫だった。

夫のADHDっぽさ

本日、電動自転車を買った夫とこのような話をした。

私「自転車の鍵に、家の鍵をつけると便利だよ」
夫「俺家の鍵持ってたっけ?」
私「嘘でしょ?(どうやって生活してるんだよ)持ってるよ、自分でキーケースにつけてたじゃん。ポールスミスのキーケースに!」
夫「キーケースどこ?」
私「知らないよ……」

この会話だけで見ても、夫の特性はよく表れていると思う。夫はいつも、こんな感じだ。忘れっぽいのとおっちょこちょいが混じったような、とにかくめちゃくちゃに抜けている

私は、この辺に関しては、「ちょっとADHDっぽいのかな」という風に思っていた。しかし、実際に服薬をしているADHDの知人と比べると、かなり軽度のようにも見える。夫は忘れっぽい人ではあるが、しっかりメモを取るし、仕事は出来る。そして、他人とのコミュニケーションも円滑だ。何よりWISC(知能検査)で、定型発達と診断されているのだ。

「隠れアスペルガー」に気付かなかった理由①

隠れアスペルガーに気付いたきっかけは、些細な喧嘩だった。まぁ、説明する必要もないくらいの、犬も食わない夫婦喧嘩だ。その話し合いの最中で、夫の考え方の特性に気が付いた。

私が、A→B→C→D(結論)という話をしているのに、夫は、A・B・C・Dというようにすべて別々の話として捉えている。以前からこの事は気付いていたが、夫は忘れっぽいので、「AやBが起きた事は忘れているんだろうな」という風に考えていた。が、その日は一日でA〜Dの話を順番にしたのにも関わらず、夫は全て別々に捉えているのだ。AもBも覚えている。覚えている上で全部違う話だと言っている……!

この時私は、今まで夫とは無関係だと思っていた「情報を個別に管理している」「経験を積み重ねない限り、それらが繋がる事はない」というASDの特性が、めちゃくちゃ当てはまると(やっと)気付いた。

ADHDの傾向が目立つせいで、ASDの特性が埋もれてしまっていたのだ。テストでは定型診断がついてるゆえにそれを見つけ出す手立てがないというのも、隠れていた理由のひとつだと思う。

「隠れアスペルガー」に気付かなかった理由②

前述の通り、ASDには「言外の意図が通じない」という特性がある。私は夫が、言外の意図が通じないだなんて絶対にないと思っていた。なぜなら私たちは24時間一緒にいて常に会話をしているが、話につまづくことなど、ほぼない。大変失礼な言い方になってしまうが、ASD特有の的外れな発言というのを、夫から聞いたことがないのだ。

けれど、改めてよくよく思い返してみると、夫はいつも「うん、うん」「すごい!」「そうなんだ」と、相槌を打っていただけのような気がする。更に私は、相手が少しでも伝わっていないような顔をすると、別の角度から伝わるまで話をし続けている。

これは別に夫に気を使っているわけではない。もともと私がめちゃくちゃ理屈っぽく、お喋りというだけだ。つまり、夫が何かを言う前に、私が一方的に喋り倒していただけだったのだ……! 相性がとても良いとも言える、、。

まとめ

調べれば調べるほど、夫はASDの受動型の特性に当てはまる。素直で真面目で、基本的に他人に判断を委ねている。受動的に動く事をよしとしていて、優しくて、とても可愛い(ここは主観)。

私は物事の理屈が気になるタイプなので、大好きな夫の特性について知れて本当によかったと思う。反対に、気にならない人は気にしなくていいとも思う。夫は、自分の失敗の理由に説明がつくようになって、嬉しいらしい。「俺ASDなんだ!」と、なぜか喜んでいる。「どうにもうまくいかない」という部分に理屈がついたのだ。「それなら解決しなくていいじゃん!」となり、安心したらしい。よかった!

ちなみに……今まで書いた夫についてのエッセイを読み返してみたら、思いっきりASD受動型の話ばかりで笑ってしまった。

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こちらは夫側から見たnote。



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