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街をうろうろすること。人と遭うタイミングの大切さ/一日一微発見190

京都に行った。
もう大学の後期の授業は終わっているのだが、大学院の口頭試問を頼まれたので行ったのである。

時間がすこしあったので、久しぶりに四条河原町でバスを降りて、街を歩いた。

まだ1月なのに春のような陽光で気持ちもよかった。
いくつか買いたいものがあったので店をまわった。
河原町もインバウンドですっかり店構えが変わっていて、観光地のみやげもの屋の顔をした店ばかりになった。

僕は大学生時代の時京都ですごしていたが、その頃は時間はありあまるほどあった。

目的もなく下宿していた下鴨あたりから四条河原町に出て、京都書院(本屋)に行っては本を買い、フリージャスの店や、ブルース喫茶に夜おそくまでたむろしていた。

でもその頃毎日すごした店は、もうほとんどなくなってしまった。気がつけば40年前の話だから、いくら「老舗」の多い京都とはいえ消失してしまうのである。

そんな中で生き残っている三条のスマートコーヒーに行き、アメリカンコーヒーとタマゴサンドを注文する(ここのタマゴサンドは絶品でおすすめ)。

コロナのせいで客も少ないが、やっぱり常連がきている。皆、お独り様だ。
美味いコーヒーを飲みつつ、1時間ばかり、あてどなく考え事をする。

うろうろする、というのは、この京都時代に身についたことだったんだ、と気づく。
それは目的が定まらない「小さな旅だが、そこでたまたま出会ったり、見つけたもの、気がついたことがトリガーとなって、未来が拓けてきたんだな、と思うのだ。

店を出て、バスで大学へ行った。

ここからはスケジュールが1時間おきにぎっしり入っている。
大学は僕にとってありがたい場所で、逢いたいアーティストがいっぱいいるからだ。

写真家の多和田有希と3月のプロジェクトの話。アーティストの鬼頭謙吾と新しいギャラリーでの印刷物の話。口頭試問のあとには、ヤノベケンジと久しぶりに話しこむ。

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