現在写真アートを切り拓く5人の新しい才能/一日一微発見312
7月1日から六本木のフジフィルムフォトサロンで「ARTBOOK INNOVATION 」展が始まる。日々、そこでローンチする新しい写真集を編集・制作しているのである。
旧FUJIXROXが開発した高性能デジタル出力機iridesseを活用して、コロナ禍が始まった2020年の頭から2年半の間に、40アイテムほどを編集・作成し、オンラインで受注販売している。
大量に印刷して、返品や在庫管理という地獄を味わうことなく、順調に展開できていると思う。
とりわけ画期的なのは、まだ世の中的には知られてはいない新たな才能の作品を、いきなりアートブック/写真集として世に問うことができるということである。
1冊あたり約80から100ページ。価格は3500円+税で落ち着いてきた。これで1冊から黒字になるのである(企業努力の賜物であり、そう簡単ではないが)。
写真集やアートブックは今や1000部販売出来ればよい方で、それも販売価格を6000円〜10,000円にしないと成立しない。
先にも言ったが、売れるかどうかもわからないし、売れなければ在庫地獄で苦しむのがオチなのである。
何が画期的なイノベーションなのかというと、そのことなのだ。
そして、出力(コピー)というとオフセットに比べて低く見られていたのが、全く遜色なくなったということも実に重要である。
つまりイノベーションの条件が整ってきた。
そして本題である。
僕は2011年から「日本でいちばんハードコアな現代写真のアワード」というキャッチのTOKYO FLONTLINE PHOTO AWARD を主宰していて、今年2022年で11回目を迎える。
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