微発見28

「編集」は、運動体になることだと思う/一日一微発見034

編集には、はなから「私」などというものはない。
本や雑誌の作業が進むにつれて、文やザインや写真は、混然一体のものとなって、もはや「誰」のものでもなくなっていくからだ。

僕は、本をつくる時には、タイトルや表紙や全体のデザインのアイデアやトーンを、ノートにメモすることから始まる。

ほかに著者がある本であれ、自分が書いたりエディットする本も同じで、タイトルとだいたいのサイズと内容が書かれることから始まる。

これはコンセプトワークであると同時に、「表現」の誕生だ。
その「種」を生むのが、編集者という僕の仕事だ。

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編集者・アートプロデューサー・京都造形芸術大学教授/後藤繁雄です。 アートや編集のこと、思考、アイデア、日々起きていることなどをその都度書いていきます。 ここでの文章はハウトゥにはならないと思いますが、知性や感性を刺激したい人に読んでもらったらいいかなと思います。 僕は、人は、大きな出会いがやってきて変わるというより、微妙なものに気がついてだんだん変わることのほうが「可能性」が高いと思う。「微発見」。 それには、訓練が必要で、この「一日一微発見」も、僕の訓練法のひとつです。

「一日一微発見」というのは、僕が師匠だと思っている文化人類学者、故・岩田慶治が日々やっていたこと。 僕はそこからヒントをもらって、もう15…

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