僕編6章

「情報デザイン」から「芸術編集」/僕たちは編集しながら生きている 6

※このマガジンは、後藤繁雄が1996年から続けている「スーパースクール」のスクーリングの内容をもとに、2004年に初版出版された「僕たちは編集しながら生きている」の文章を加筆修正し、2010年に出版した「僕たちは編集しながら生きている・増補新版」の文章をそのまま掲載しています。年代やプロジェクト、事例はその当時のままとなり、現在は行われていないものもあります。


※別ページでの解説、「注釈欄」はこのマガジンでは省略します


※このマガジンに使われているスクーリングの内容をアップデイトした形で、現在も「スーパースクール」は、DMMオンラインサロンを利用した東京スクーリングと、浜松スクーリングを開催しています。詳細は、後藤繁雄のHPをご覧ください。

01 先駆者たちに学ぶ、情報とデザイン


 さて、「情報とデザイン」、そして、アートブックや写真集などの「ブックワーク」についての話をしたいと思います。

僕は、名刺の肩書きに「編集者/クリエイテイヴディレクター」の二つを並記して入れています。出版物を手掛けるときと、ポスターや宣伝物、映像、展覧会、イベントなどを手掛けるときとが あるからですね。


 どちらにしても、そこで必要とされるのは、いかに「組み合わせる」かという力と、そして、イメージの方向性。

どのように伝えるか、どのように仕上げるかという「ディレクション」が仕事の特性となります。

「ディレクション」というのは、「監督」という意味もあるけれど、「方向」という意味もあります。だから僕は、それを強調するために、自分のホームページの名前を呼ぶときなんかは、「(ゴー・トゥー・ニュー・)ダイレクション」とわざわざ言ったりもしています。


 広告のヴィジュアルをやるときは当然ですが、編集においても、ライターにどのように書いてもらうかだけでなく、写真家にどう撮らせるか。

そして何より大切なのは、「収集」してきた「コトバ」と「ヴィジュアル」を、デザイナーにどのように「レイアウト」させるかを「ディレクション」すること。

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