佐内正史『写真がいってかえってきた』/目は旅をする093(風景と人間)
佐内正史『写真がいってかえってきた』
(対照 刊)
毎年、G/P+abpでTOKY ART BOOK FAIR(TABF)に出店している。僕らはNEOTOKYOZINEという新しいシステムの写真集/アートブックのプラットフォームをすすめていて、販売はオンライン中心なのだが、同時にアートブックフェアでのフィジカルな対面を重視している。
ブースによっては、アーティストが自ら作品集を販売していることもあり、話ができたりして、ミーティングプレイスとしても、楽しいのである。
佐内正史君との付き合いは、90年代の真ん中あたりだから、もう随分になる。去年も、そして今年も佐内君は、近くのテーブルに座っていて、自分の新しい写真集を売っていた。
彼とはしょっちゅうつき合ったりはしないけれど、逢うとなんか、いつも感じが良くて、久しぶりにあっても、久しぶりな感じがしない。
そういえば、1999年には、写真集『タンタンと』を編集したこともあったな。
今年彼は、自分のブックレーベルである「対照」から新しい写真集『写真がいってかえってきた』をローンチしていた。TABFには、国内外の優れたパブリッシャーが世に問うアートブックが並んでるいたのだが、僕は佐内君の写真集を見た時に、迷わず買うことにした。
ピンときたのである。
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