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オノ・ヨーコの『どんぐり』を読みながらコンセプチュアル・アートについて再考する/一日一微発見325

先日、京都芸術大学の通信大学院GOTOラボのスクーリングをしている時に「思わぬこと」があった。「思わぬこと」は僕にとっては良いことで、見落としていたコトやモノに出会うという「ありがたいこと」なのである。

僕が大学・大学院で教えるようになって来年で20年だけど、僕にとって授業とは「学びあうこと」であって、ただ教えるんじゃなくて、ありがたいことに、僕も受講生から学ぶのである。

先日の「思わぬこと」とは、オノ・ヨーコさんの本『どんぐり』だった。

そのGOTOラボ受講生の女性は、僕と同い年なのだが、「禅とアート」についての修論を進めていて、僕はそのコーチングをしている。

その流れの中で、直接的に禅とは関係ないがオノ・ヨーコさんの『グレープフルーツ』を読んでみれば? とアドバイスしたのだった。
60年代後半のコンセプチュアル・アートにまつわるムーブメントは、キュレーターのルーシー・リパードはいるもののどうしても「観念的な」男性ばかりが目立っている。
しかし、フルクサスになるとそうでもなくて、バランスが良いムーブメントだと思う。

その女性がヨーコさんの本『どんぐり』のことを教えてくれたのである。
「あら先生、知らなかったんですか?」
いやあ、まいった。
不覚にも『グレープフルーツ』の続編が日本で出ていたなんて知らなかったのだ。
早速Amazonで注文したら、翌日すぐにその本はやってきた。

帯には、吉本ばななさんの推薦文がついている。
「空想はたちまちほんとうの力を持って、現実を覆うすべての壁を少しずつ動かし始める。その秘密が描かれたすばらしい本です」とある。

本の奥付を見ると2015年で、なんと7年間も僕はこの本の存在に気がつかなかった。まったく!

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