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ブライアン・イーノが今、喚起すること/一日一微発見281

Facebookを見ていたら音楽誌『ロッキングオン』がブライアン・イーノ特集をしている表紙を何人もがアップしていたので、「なぜ今頃、特集?」と思い、東京のいくつかの本屋に行ってみた。
ほとんどの情報はオンラインで得ているので、音楽誌なんて、もう何年買っていないだろうか。そう思って仕事場近くの恵比寿のアトレの本屋に行ったら「売り切れです」と言われて、ちょっとショックだった(結局はアマゾンで買った)。

誰が買うのだろう?(といっても僕のような、年季の入った人間だろう)。

僕にとって、イーノは、編集とアートを考えるときの特別な存在だ。
もちろん彼を最初に知ったのは、ロキシーのアルバムであり、そのあとも聴きつづけているが、個人的な存在としてはバックミンスター・フラーやチャールス・イームズのように「思考実験」をエンドレスに行う「メンター」としての存在なのである。
だから、「イーノ特集」は、条件反射的に買ってしまう。

手にとってページを繰る。イーノ自身による全アルバムの解説や5年ぐらい前のインタビューの再録で、拍子抜けするほど、新しい話はない。雑誌文化が終わっているとはよく言われるが、お見事である。だからと言って別に文句はない。かえって、この現象は何なのかと考えながら、丁寧にイーノのインタビューとかを読み返す。

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