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ダムタイプの『2020』を見る/一日一微発見207

ダムタイプは、京都を拠点に活動する世界的な評価をもつアーティスト・コレクティブだ。演劇でも、ダンスでもない。しいて言えばパフォーマンスだが、毎回映像×メディアが実にみごとに使われているから、一言では言えない。

彼らは決して既存のカテゴリーでくくれる活動をしていない。
さらに組織としても明確ではなく、プログラムごとにダムタイプという拠点に戻ってきて作品を共作し、また個の活動に戻っていく。

創設メンバーの古橋悌二なきあとは、高谷史郎が「顔」としては存在しているが、彼も当然のごとく、ダムタイプを自分の組織や作品のようには扱わないし、語らない。あいまいに見えて、そこには厳密なモラルがあり、それこそが実に面白いと思えるところなのだ。

昨年18年ぶりに発表されるはずだった『2020』の公演はコロナで中止になり、その舞台を「映画化」した作品ができあがった。昨秋に京都で上映されたのだが、これはスケジュールが合わず見逃した。
とてもくやしい思いをした。そして気がつくと東京の吉祥寺のアップリンクで上映があるのを知って、なにがなんでも見たいと思って出かけていった。

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