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めづらかなる趣味こそいみじけれ。

趣味が合う(と、私は勝手に思っている)同僚がいる。

同僚からは、
彼の専門分野である山について
「息子@小学校低学年と一緒に行って楽しめる山はどこか」とか
「初心者でも登りやすく、かつライチョウにも出会えそうな、
そんな都合のよい山はないか」とか教えてもらったり、

鉄道旅について
「以前、釧網本線で北浜駅まで行きました」
「私も、札幌から特急オホーツクに乗って北見まで行ったことある」
という話で盛り上がったり、

城について
「諏訪原城ってのは本当にすごい城なんです」
「熊本城に行くなら絶対にこの角度から見てください」
とご指南いただいたり

私の好きなやちむんについて
「これまでやちむんを求めて、読谷に何度も行ってる。
 柄を見たらだいたい誰の作品かわかるようになってきた」
「『やちむんの里』ですね、自分も行きたい場所のひとつ。
 誰と誰が同じ窯だから作風が同じで~、という分析も楽しい」
等と熱く語ったり

彼が持っているノートを「そのノート、かっこいいね」と褒めたら
「このサイズと色の組み合わせ、なかなか売ってないんです」と
嬉しそうに教えてくれたりした。

そんな彼が、あるとき仕事で山陰地方に行ったときのこと。

私「出張お疲れさまー。出張中、少しは自由時間あった?」
彼「はい、土曜日の午前中、ちょっとでしたけど自由時間ありました!」
私「よかったね~、どっか行ってきた?」
彼「宿泊先から公共交通機関で行けるところに、灯台があったんですよ」

・・・ん?

彼「実は、全国に、登れる灯台って16基しかなくて。
  で、そのうちのひとつが宿泊先から近かったんですけど、
  そこで、スタンプラリーの台帳が売られててですね。
  これはもう、『やるしかない!』って思って」

私「・・・それもしかして、
  燈光会の『のぼれる灯台スタンプラリー』??
  ・・・私も、そのスタンプラリー台帳持ってるよ。
  ちなみに私の台帳には、読谷の残波岬灯台のスタンプおしてある」

彼「え」
私「いやわたしこそ、『え』ですよ」

彼曰く、こんなマニアックなスタンプラリーをやる輩は
勤務先6,000人探してもまずいないだろうと思っていた、とのこと。
ごめんよ、斜め向かいの席なんぞにいて。
その日の昼休みは30分間灯台トークでした。
ちなみにこのスタンプラリー、現時点で、
スタンプをコンプリートをしたツワモノは
187人しかいないらしい。

そんな彼は先日、沖縄旅行に行ってきたそうだ。
まさか灯台のため「だけ」ではないだろうが、
灯台も目的のひとつだった模様。
なのに改装工事中のため、中に入れなかったそうで。
わかる!わかるぞ、その悔しさ!!
せっかく沖縄くんだりまで行ったのにね!
スタンプ1つ増やせると思ったのにね!!

彼の行動力に触発されて、私も台湾の灯台事情を調べてしまいました。
台湾では、36基ある灯台のうち、12基が「のぼれる灯台」であることが判明。

「スタンプラリーの台帳が売られててですね。
 これはもう、『やるしかない!』って思って」
と言っていた彼の気持ちが、痛いほどよくわかる。

知ってしまったからには、
台湾にいる間の12基コンプリートを目指したいと思います。

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