盾を巡る知の攻防 -博物館vs息子-
以前、「台湾灯台紀行 -vol.03 安平灯台-」で
「ズーリ族の盾」について書きました。
この盾が所蔵されていたのは、
台南にある「奇美博物館」(CHIMEI MUSEUM)。
「奇美博物館」は、台湾の化学工業を中心とする企業グループ
「奇美実業」の創業者である許文龍氏が、
幼少期から老年に至るまで80年に亘って抱き続けた夢を実現したもの、
だそうです。
私立博物館としては台湾で最大の規模を持つ博物館です。
こんな感じで、
とにかくなんでも所属されている博物館。
これは、さぞかしレアものの芸術品に
出会えるに違いない、と
ワクワクして訪れたわけですよ。
なのに、息子よ。
なんで3時間も「兵器ホール」にいるんだよ。
絵画とか楽器とか見たいんだよ私は。
兵器ホールに3時間。
予定していた観覧時間が過ぎそうだったので
「もう、そろそろ行こ!!」と
息子を兵器ホールの出口に追いやろうとしたところ
子「あああっ!!こ、この盾!」
私「は(怒)?なに?!盾がどうかした?」
子「アフリカの・・・
少数民族の盾!
たしか マサイ族かズーリ族 かどっちかの・・・!」
私「え、そうなの?ホントに?
(解説を見る)
・・・
・・・
・・・
・・・ ズーリ族 だってよ」
子「やっぱり!やっぱりそうなんだ!
うわぁ、本当にズーリ族の盾 だああぁぁ!!
こんなところで、本物に出会えるとは!」
息子、大興奮。
なんなの、この、
奇美博物館 vs 息子 の
知の攻防 が繰り広げられている状況は。
「ズーリ族の盾」って有名なの?
社会人のたしなみとして知っとくべきもんなの??
息子よ、母には難易度が高すぎるぞ。
ほかにも
中世ヨーロッパのレイピアとか
戦国時代の火縄銃とか
本当にいろいろなものが所蔵されていて
息子はいちいち全てのものに引き寄せられていて
それはそれで大変興味深かったし
息子が喜んでくれて私も連れて来た甲斐があったってもんですが
息子よ。もう一度言うぞ。
母は絵画とか楽器とかも見たかった。
博物館に3時間もいたのに
絵画1枚も見られなかったの、おかしくないか。
というわけで「奇美博物館」には
いつかリベンジしようと思います。
※ 「ズーリ族」、一般的には「ズールー族」または
「ズールー人」というそうです。
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