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冬のオーブン


運命の果実は野生なので
美味しいことなんて滅多にない
エグかったり
酸っぱかったり
渋かったり
そうでない事なんて途轍もなく稀だ


だから人は
アップルパイを作る

傷んだ箇所だけ削いで
砂糖とバターで炒める
ラム酒とシナモン香和せて
ちょっと煮るのね

重ねて潰して、重ねて潰して
そうやってつくったパイ生地に包み
フォークで模様をつけて
溶き卵でトリートメント施せば

さあ
いよいよオーブンで
運命を変容させるのだ

 さっき話したような
 甘い果実を得た稀な人は
 丸かじり果汁をしゃぶれても
 この魔法の楽しさを知ることはない
 もちろん、逆も然りだね


ベルの音

芳ばしく枯れたパイ
その中に涙と恋を焦がした
琥珀色の運命



ベルの音

やあ、君か、よく来たね。
アイスクリーム買ってきたよ、
アップルパイに添えようと思って。


ベルの音

夕方の鐘だ、
もう宵だ、
ゆっくりしよう、
紅茶を淹れようか、
そうしよう


運命の果実は野生なので
美味しいことなんて滅多にない
だから人はアップルパイを食べる


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こんばんは、元気かい?
昨日の詩でアップルパイのこと書いたら
アップルパイの詩を書きたくなって🍎



サポート頂けましたら、部屋を飾るお花を買って、その花を詩にしてお返しします🌷✨よろしくお願いします☺️