見出し画像

不倫相手との対峙②

Twitter等で色んな方の経験談を見る事が多いのですが、不倫相手と実際お話された人の中には本当に話が通じなくて大変な思いをされてる方も多々拝見します。

そういう意味では私は相手にはとても恵まれたと思っています。

やはり最初からキチンと真摯に謝罪されるとこちらの心象が大きく変わります。悪い事をした、罪は罪ですが、こちらも鬼ではないので態度次第で対応は変わります。嘘や偽りの謝罪は透けて見えるので、それは「心からの謝罪」である事が一番大切です。

なおさんはとても真摯に受け止め反省されてるのは見て分かりました。それ故にキチンと罪を償って貰ってそれで終わりにしようと私は思えました。

私「ここでキチンと償って、なおさんも私も区切りをキチンとつけましょう。お互いの為に。なおさんはなおさんで、色々あるんだとは思います。彼氏さんの事ともちゃんと向き合って下さい。」

彼女はポロポロと涙を流しながら頷きました。

ここで私は彼女に示談書を差し出します。実際には金額は不明確だったので見本用に印刷した示談書です。それを元に示談書の説明に入ります。その中で一番やはり大事だったのは「慰謝料の金額」でもありました。

私「正直に言うと今回二人の事を調べるのに100万かかってます。それに精神的苦痛を与えられて心療内科にかかったりもしました。その分をキチンと慰謝料という形で払って貰いたいと思ってます。それは貴女にとっても『払って終わりに出来る』という区切りが出来ます。気持ち的には100万くらい払って欲しいと思ってます。」

↑これは本音です。100万払って貰ったって正直私の心の傷は塞がりません。ですが、せめて探偵調査費用は出して欲しいって思うのは正直な所。実際その額が難しいのは分かってましたが、あえて最初に自分の正直な気持ちと金額を提示してました。

私「・・・ただ夫君がね。貴女に救われていた、というのも事実ですし、夫君が貴女に嘘をついていたという点もありますし・・・私は夫君と夫婦として今後もやっていくつもりなので、出来る限り夫君の気持ちは汲んであげたいとは思ってます。まぁ金額に関してはちゃんと話して決めていきたいと思うので・・・とりあえず示談書の説明しますね」

↑これも本音です。ここで彼女に対して私の思いだけをぶつけるのは正論で正当なのですが、夫と再構築した上で今後も夫婦としてやっていきたかったので、それを貫き通す事は逆効果だとも思ってました。夫が私に一番されたくない事は「彼女を攻撃する事」なのですから。

示談書を元に説明をしました。ざっくりと私が彼女に対して示談書で求めたのは下記の通りになります。

①今回私の夫との不貞行為を認め、真摯に謝罪する事

②慰謝料を私に対してキチンと支払う事。その際求償権は破棄をする事。

③私の夫に対し今後一切連絡を取らない事。接近、接触しない事。

④もし今度不貞行為が継続された場合、違約金100万円。また本件の不貞行為により夫婦関係が破綻した場合、もしくは離婚した場合、別途慰謝料300万支払う事

⑤この示談書内容、本件に関わる事をお互いに一切口外しない事。(SNS等の誹謗中傷も含む)そしてお互い家や職場にはいかない事。違反した場合は違約金50万支払う事。

私「慰謝料に関してはここから更には話をして決めていく感じになるので、それ以外に関して理解して納得して約束して貰えますか?」

女「はい・・・それに関しては・・・はい。約束します」

私「じゃあまぁ慰謝料に関してですけど・・・金額はさておきこの項目で言いたいのは『これは貴女に対する債権です』という事です。本来であれば不倫は『共同不法行為』になる訳です。だから両方に本来は責任があります。だけど私は夫君に対しては慰謝料を請求しません。なのでこれは私から貴女へのみの請求になります。」

女「・・・」

私「えっと・・・本来であれば共同不法行為なので貴女は『求償権』という権利を持っています。これは何なのか、というと『貴女が私の夫に慰謝料を一部助けて下さい、とお願い出来る権利』です。でも私は夫君に請求する気がないし、夫婦である以上は共有財産からの出資になりますので意味がありません。なので貴女にはこの『求償権を放棄して下さい』という事です。求償権を放棄した上で貴女一人で慰謝料を払います、という事です。ご理解いただけましたか?」

女性は黙ったまま困惑した顔をして正直「どうしたら良いのか」と言う混乱状態であるのは目に見えて分かりました。

私「すいません・・・あの・・・ちょっと・・・」

動揺を隠せてない状態だったので

私「ああ、まぁ急にこんな話一気にされても頭がついてかないですよね。ゆっくりで大丈夫ですよ。混乱されてるでしょうし、夫君に対しても言いたい事も正直あったりしますよね。夫君も話したい事あったりするよね」

夫「・・・俺はその時間が許されるなら(彼女と)話したいと思ってるけど・・・」

私から見て彼女がとても憔悴していて更に混乱してる様子が分かったので、論で詰めて事務的な話だけをしていくのは酷かと思いました。それ故に二人で話したい事があるなら話す?というスタンスを取りました。

女「・・・すいません。あの・・・夫君が嘘をついてたって事が・・・凄く動揺してて・・・すいません」

私「まぁ・・・それはそうですよね。この場で知った感じですもんね」

女「・・・はい・・・・。なんていうか・・・・結構自分でも無理して(夫との)関係を続けてきた所があって・・・・」

そう言って彼女は言葉に詰まってしまいました。すると夫が口を開き

夫「あの・・・俺が嘘をついてたって所の話なんだけど・・・(私の方をチラっと見て)違う所があったらごめんね、言ってね」

夫「その俺が嘘をついてた話はこの関係が8月から始まったわけだけど、その頃から『会話がなかった』とか『セックスレスだった』とか夫婦関係が破綻してたって当時からしてたんだけど・・・法的に見て『夫婦関係が破綻してるレベルではなかった』って事で・・・会話も何もないんだって言ってのが俺の嘘だったって事で・・・」

私「だから『うちはもう終わってるんだよね』って(夫君から)なおさんは聞いてた訳でしょ?」

女「・・・」

私「8月なんて会話とか全然してたし、食事も一緒にしてたし、何なら家庭内別居してても一緒に食べてたしね(苦笑)セックスレスでもなかったし・・・。なんていうか・・・まぁそれを知って今とてもショックだよね。」

女性は本当に夫の言っていた事を信じて真剣に相談に乗っていたのでしょう。本気で信じていたからこそ誤った道だとしても進んでしまったのだと思います。彼女を見ていたら私はとても居たたまれなくなって来ました。もし私が彼女の立場だったら・・・そんな風に彼女目線で今の状況を見始めてしまっている自分がいました。

夫の彼女への説明も私は何だかとても淡泊に聞こえました。事務的というか。

私がいたからそういう態度で話してたのかも知れませんが、自分で選んだ道で自分から背負った罪であるものの、信じてた物が目の前で崩れ色んな事が彼女には一気に襲い掛かってる今、夫からの言葉の淡泊さは私は酷だと思いました。それ位見ていてとても胸が痛くなって居たたまれなくなってしまった私は

私「ちょっとさ・・・夫君さ、もう少しちゃんと彼女と話してあげたら良いんじゃないかな。ちょっと私席外すからさ。二人で本音で正直な話しなよ。録音はしておくけど、ちょっと二人で話した方が良いと思う」

夫「ichikoが良いなら・・・俺は録音もしてるし俺の本音を話すだけだけど・・・」

私「良いよ。話しなよ。ちゃんと話してあげて」

夫「ありがとう」

女「・・・すいません」


そう言い残し私は席を立ちました。

私は結構人に対して感情移入してしまう方ではあります。でもまさか自分がここまで被害者になっておきながら、相手女性にまで感情移入してしまうとは・・・・ちょっとびっくり。

でも本当に見てていたたまれなかったのです。夫の言葉も態度もきっと数日前まで彼女が見てた夫とは別人の様に感じと思います。その絶望感を私は知っています。やっぱり嘘をついていた夫の非はとてつもなく大きいと感じましたし、彼女が本当に憔悴してるのが目に見えて分かったので、私なりの最大限の譲歩でした。

これがきっと二人での時間は最後になるでしょうから・・・

次回・・・実は未だに私も聞いていない二人の会話に突入します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?