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連載イチロー部屋のイッピン59. Sports Graphic Number

2022年5月6日Sports Graphic Number1049の特集は、『イチローが伝える野球って何だ?』。イチローが表紙を飾るのは、1000号以来最多記録更新の33回目。初めて飾ったのは1995年10月12日号Number376だった。

1980年4月20日創刊号の初代編集長岡崎光義氏のNumberへの意気込み「行儀の悪いメッセージですが―」を読んでほしい。スポーツを表現するのは、インストラクターとカメラマンのどっちが勝れているか?創刊号では、山際淳司の『江夏の一球』と、世界的なスポーツ・カメラマンニール・ライファーの『スポーツを撃て』が火花を散らしている。

イチローは、野球とプレーを言葉にできる稀有なアスリート。さらに、自らの身体で実践できる。イチローの深い言葉と実践を文章にするスポーツジャーナリストの石田雄太は、「イチローとのインタビューは禅問答のようだという。そして、イチローの言葉には力がある」と。

イチローは、「(プレーは、)理屈でどれだけ雄弁に語っても、実際に見る一球にはかなわないことがわかりました」また、「感覚的な事柄も多いので、言葉にすることが難しいと常々感じてきました」と。

さらに、野球の魅力については、「キャッチボールは、誰もができるイメージがあるが、経験者でないとまったくできません。打つことなんてもってのほか。走塁はさらに難しい。投、捕、打、走、一般的には走、攻、守ですが、ここに『考』を入れるべきでしょう」とも。

初代編集長が求めたNumberは、野球の研究者イチローが創っているように思えてならない。  

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